「リベックじいさんの なしの木」
テオドール・フォンターネ 文/ナニー・ホグロギアン 絵/藤本朝巳 訳
岩波書店






ホグロギアンの本、2冊目。

やさしいリベックじいさん。
なしの実をこどもたちにわけてあげます。

版画の絵が、味わい深いです。

「妖精の妻」の絵とはまた違うけど、
うっすら薄い青色が、画面にさーっとながれているのは、「妖精の妻」でも気づきました。
青い色と、黄土色。ホグロギアンで気づいた色です。
それと、夢見るような、たれ目(?)の瞳も、もしかしたら特徴的なのかな?

なしの実は、まるくなかった。
あたりまえだけど洋ナシのかたちでした。

寛容なじいさんの、息子は、しみったれなんですねぇ。
(この人は、つり目につり眉毛だわ。。。)

藤本さんの解説によりますと、これは、フォンターネという、ドイツの詩人の書いた、ハーフェルラントを舞台にした叙事詩なんだそうです。

「『ルッピン伯爵領とその周辺地域の民話伝承』を下敷きにして書かれ、」

とありました。

「バラッドや民話など、伝承文芸に親しんでいるホグロギアンの味わいのある版画が」


とありました。ホグロギアン、そうか、伝承にくわしいんですね。だから、「妖精の妻」の絵も手がけたのかな。

はじめは、アメリカから出版されたけど、ドイツ版が出たとき、編集したのは、
ベッティーナ・ヒューリマン
その名に、アッと、思いました。
この人の本読んだ。
(参考:HPのヒューリマン著『ヨーロッパの子どもの本』の感想
有名な編集者なんですね。

「彼女自身、ハーフェル川の近くで育ち、ホグロギアンが版画でこの作品を制作していることを知ると、すぐにドイツ語版を出すことを決めたそうです。」

とありました。