「ワンダ・ガアグ」
瀬田貞二
さ・え・ら書房(さ・え・ら伝記ライブラリー 24)



瀬田貞二さんの本です。

エリクソン、エンリケ王子、バスコ=ダ・ガマ、コロンブス、マジェラン、クック
がとりあげられています。

エリクソンというのは、レイフ・エリクソンのことで、「幸運のレイフ」と呼ばれた人。
「赤毛のエリク」のむすこ。

エリクがグリーンランドを見つけたことは、前に知ったとおり。
でも、レイフのことはちょっと違った。

ビヤルニというひとがアイスランドからグリーンランドに行こうとして違う土地を見たことを、レイフが聞き、興味を持って、その陸地を探しにいった、とある。

山室静さんの『バイキング王物語』では、レイフが、ノルウェーのオラーブ王のところから帰るおり、ヴィンランドを見つけたとあったと思ったけど…。
(参考:HPの『バイキング王物語』の感想

レイフの隊のチルキルがアイスランド語でいう、ことばづかい。

「そんなに遠くへいったわけでねえです。お知らせしたいことがありますだ。ブドウをどっさり見つけましただ。」
「ほんとか? おやじさん」
「もちろんほんとのことですだ。わしが生まれたところには、ブドウがたくさんありましたで」
(p.29)


なんか、瀬田さん訳の『指輪物語』のサムのことばづかいを思い出しました。
チルキルは、レイフを育ててくれて家族同様だと書かれていましたけれど、わからない言葉をつかったり(南方ゲルマン出身)、レイフの問いにアイスランド語で答えた、ということですから、レイフと違うことばづかいで書かれているのでしょうか?

その土地はビィンランド(ブドウの国)と名づけられました。アメリカではないかという説があります。


ポルトガルのエンリケ王子という人は、知らなかった。
厳しい顔をしたひとで、岬の館にこもり、船乗りを養成し、航海の礎を築いた。
王子は、生きているうちには、インド航路をひらくこともできず、借金ものこした。
でも、この人がいたから後には道が大きくひらけた。
次の文章がかっこいい。

「しかし、その人の仕事は、未知の海をおそれることなく、羅針盤によってどこへでも進むという新しい航海の源になった。生涯にたった三度、対岸の北アフリカへわたっただけのこの王子を、世界の人が「航海者ドン・エンリケ」とよぶようになったのは、けっして理由のないことではない。」
(p.92)


しかし、航海の道がひろがり、ポルトガルやスペインは、着いたその土地は領土にしてしまうんですね…。島の名前もスペイン語だったりするのは、そのせいだったのか…。

このあいだ、『1492年 海のかなたへの旅』というコロンブスの船にのった少年の目をとおして旅を描くという設定の物語を読んでいたので、コロンブスの第一回の航海のことは少しわかりやすかった。
(参考:HPの『1492年 海のかなたへの旅』データ

コロンブスの船もそうだし、そのころは、海にでるということは、たいへん勇気がいり不安なことだったのだろう。また、金やもうけに目がくらむこともある。
船員たちの間では、不満がつのったり、反乱もおきる。
壊血病もあった。
(参考:HPのバスコ・ダ・ガマや壊血病の話題の記述


キャプテン・クックは、船員の健康について研究したり心を配り、いやがる船員に麦芽汁を飲ませた。
すると壊血病にかかるものはいなくなった。

前にテレビで、中国の鄭和とかいう人の番組をみた。

バスコ・ダ・ガマの船などは、壊血病に苦しんだけど、鄭和の船では野菜(?)かなにか育てて、壊血病はなかった…みたいなこと、見た記憶ある。ダ・ガマより前の人…? すごい。