「ふくろうくん」
アーノルド・ローベル 作/三木卓 訳
文化出版局



『いたずら王子バートラム』のアーノルド・ローベルです。

落合恵子さんの本で、この絵本を知って、読んでみたいと思っていました。
面白いし、良かったです。

一階と二階に同時にいるようにするって、どんな話かと思っていました。
その話「うえと した」も面白かったけど、いちばんおかしかったのは、「こんもり おやま」の話です。
「なみだの おちゃ」の、ゆわかしをかかえてるふくろうくんの絵がかわいい。

「とまってしまった とけい。」
と ふくろうは いいました。
「そばに ぜんまいを
まいてくれる ひとが
ひとりも いないんだ。」
(p.34)


おもしろいところなんだけど、ここにはついほろっとしました。

「おつきさま」
の、おつきさまとさよならしたふくろうのさみしさ。
くすっと笑える話の中に、そういうしんみりした気持ちを感じる。

ひとの心の感情とか、しんみりした気持ちとか、
そういうものが、やさしい絵や文章の中に、見られる気がします。