「はだかの王さま」
アンデルセン 作/バージニア・リー・バートン 絵/
乾 侑美子 訳
岩波書店



バートンのこの絵本、すき。

バートンの絵は今まで読んだのは、田舎の風景とか駅とか、都会とかそういう感じだけど、
これは、雰囲気が違っている。
衣装からきれい。
モーツァルトが着ているような、ああいう感じの服装。
王さまや、家来の人たちの衣装をみているだけでも楽しい。

絵の、人物などの左右対比や、繰り返しなどの面白さ。
人が円形にならんだり。
まるで噴出しのように、唐草模様ふうな線でかこんだ心の中の言葉。

文章と絵の配分、配置が計算されています。

気に入ったのは、36から37ページの、
わるものたちと、王さまと家来たちの姿を
前後から描いているところ。
(布を見に行く王さまたちを大きく、と小さくと捉えた28から29ページもおもしろい。)

文章は「中央ぞろえ」です。
きっと原文もそうなんでしょうね。
バートンが、文章の配置にこだわっていたことが、
(『ヴァージニア・リー・バートン 『ちいさいおうち』の作者の素顔』で書かれていたけれど)
実感できました。
長い文章に絵をつけた『ビュンビュンきしゃをぬく』では、たしかにこの手腕は発揮できなかったかも…。
(『はだかの王さま』だって、バートン作のお話じゃないけれど。(テキストはアンデルセンのままなのかな?))


乾さんの解説にもあるように、この王さまは、
「少しおばかさんぐらいです」(中略)「心やさしく、みえっばりではあっても」(中略)「ほんとうはいい王さまなのです。」

そうですね。
この王さま、好きですね。

また、家々が『ちいさいおうち』でのように表情があるように見えるのが面白い。
うわさばなしをしているようだし、また、お口をあんぐりあけて、驚いて、呆然としてパレードを見送っています。

46から47ページのページだけ、なんだか色がにじんでいるように見えるんですけど、何故でしょう。
つるつるの紙に印刷しているのかな?と思ったけど、よくみても他の紙と変わりないようですが。