「帆かけ舟、空を行く」
クェンティン・ブレイク 作/柳瀬尚紀 訳
評論社



『みどりの船』のクェンティン・ブレイクです。
最初は、「帆かけ舟」、というので、船のことの絵本かと思って手にとった。

でも、見返しや解説を見たら、この絵本ができたわけが書かれてあった。
ブレイクが、教師たちに持ちかけられたこと。
子どもたちと一緒に本をつくらないか、という試み。

「偏見、環境破壊、児童虐待、戦争といったこと」
という、世界の問題。
それらについての本を子どもたちと一緒に作る、ということでした。

そして、1800人もの子どもたちの協力によってこの絵本が作られたと。
(この本の見返しにはその子どもたちの名前が記されています)
 

イゾベルとニコラスは、おしゃべりをしながら砂浜で壊れた船を見つけます。
組み立て、羽を撃たれたこうのとりを助けたことが、はじまりでした。

「シモーナを助けてくれたんだから、ほかの人たちも助けたらどうだい? この空の上から見てるとさ、助けの必要な人がわんさといるじゃないか」


最初は、シモーナを助けたのに「ほかの人たちも助けたらどうだい」とは何よ、と私は思った。
でもそれは、おごったことだった。(そこには、助けて「あげた」のに、という気持ちがあったと思う。)
ガスはシモーナのそばに、みんなのそばに最後までいたし、
みんなは困っている人をためらわずに舟にのせていく。
(舟は重みで下降していくのに)

疑問点は、一番困っている人一人ずつを乗せていく、ということ。
ほかの人はどうなるのか…?

 
考えさせられる絵本でした。