「やまなしもぎ」
平野直 再話/太田大八 画
福音館書店




「三人の兄弟や姉妹がでてきて、一人目、二人めは失敗し、三番目が成功したり悪者を退治する民話は、日本の民話にもある」ということを、
以前に、ラジオ深夜便 ないとエッセー 「語りで子どもの心を育てる」をきいて という記事で書いた。

そこで紹介されていた民話「やまなしとり」のお話の絵本があったので読んでみた。

『やまなしもぎ』というタイトルだった。

体の具合の良くないおかあさんが、やまなしを食べたいと言うので、
兄弟がひとりずつ出かけていく。

不思議なおばあさんがでてきて、水を汲んでくれるように頼むが、上の二人は断る。
それでも、おばあさんは、「まっかみち」(わかれた道のこと)で笹が風に
「ゆけっちゃ かさかさ」となる方角へ行くよう教えてくれるのだが…。

岩手県の民話だそうです。

言葉は方言、絵ももちろん和風だけど
話は、こういうの、西洋にもあるのとそっくりですね。
末っ子は特に軽んじられているわけでもなく、仲良いですけれど。

(参考:『王子ヤンと風のおおかみ』『四人のきょうだい』

ラジオできいたときも、少し言ってたと思うけど、
「ゆけっちゃ かさかさ、」
「ゆくなっちゃ がさがさ、」(p.6)
とか、擬音、語りで聞いたら、臨場感があるでしょうね。

聞いてる立場だと、「そっちへ行っちゃダメ!」って気分になるのではないかと思います。

最後のしめの言葉は
「どんどはらい。」(p.39)
ってありました。
朝ドラで、「どんどはれ」ってあったけど、また少し言い方が違うんですね。