「ニューワと九とうの水牛」
小野かおる 文・絵
福音館書店



体調があまり良くなかったので、目についた絵本から選びました。
東洋の民話っぽい感じの絵本と思っていましたが、
読んでみると、「われたたまご」の小野かおるさんの絵本でした。

「中国桂林の伝説」をもとにしたお話から描かれた絵本のようです。

ひらいてみると、表紙の裏の部分に、の絵があるではありませんか。

深い山奥の村。迷い込んできたやせた男の子を、みんなで育てることにした村人。
ニューワと名づけます。
水牛のせわがニューワのしごとです。

日照りの年、淵の中洲で草をみつけたニューワは、しかし中洲に渡る手だてがありません。



これって、「竜宮」のお話?

美しい娘はりゅうおうのひめぎみです。
「三番目の ひめぎみ」というのが、ポイントな気がします。
(一つ前の記事の『美女と野獣』でも、ベルの上には意地悪なお姉さんが二人いたと思うし…。)
東洋の伝説でも、重要なお姫さまは三番目なんだな。
(参考:三人の末っ子の話 「やまなしもぎ」

りゅうおうは、絵はでてきたけど、実際の姿はでてこないみたいだった。

ひめぎみは、竜王の娘なんだけど、人間と同じようなお姫さま。
ということは、王は竜の姿でないときがあるんでしょうか?

と考えてて、ふと、「浦島太郎」のお話の、竜宮城は、
海の底で、竜って海にいるのかなとか。
あの竜宮城は、乙姫様のお城と思ってたけど、
竜王の城とはあまり聞かない気がする。
竜がでてこないのに、竜宮城となぜいうの?
とか、思った。
浦島太郎のお話は、きちんとしたものを読んだことはないですけれどね。

(そういえば、りゅうおうといえば、「ナージャとりゅうおう」思い出す。海がでてきたっけ?)


おひめさまは、やさしいニューワが気に入ったのですが、
わりと強引ですねー…。
ここに住むことについてのニューワの気持ちなんかそっちのけ{/大汗/}
もちろん、ニューワだって悪い気はしないのですが、
水牛のせわは誰がするのかと、あわてます。

そびえたつ九つの山は、高く、いかにも中国の岩山という感じでしょうか?
ふうがわりなラスト。こんなのははじめて聞きました。

水牛が、
「つやつやと とうがんのように ふとりました。」
というところと、
「おおきな いしが ぶっくりと うかんできました。」

という表現が面白いなと思いました。