「おおかみと七ひきのこやぎ」
グリム童話/フェリクス・ホフマン 絵/せたていじ 訳
福音館書店



フェリクス・ホフマンの絵だ、と思って、読みました。
「グリム童話 ねむりひめ」で、とってもいい絵だったので。
訳も瀬田貞二さん。
同じコンビなのに、この絵本、知らなかった。

読んでみると、
「おおかみと七ひきのこやぎ」のさいごって、赤ずきんちゃんと
同じみたい…?

赤ずきんもちゃんとしたのを読んだことないけれど。
オオカミのおなかに石が…っていうところ。
知らなかった。

おかあさんやぎの立ち姿がとっても、やぎらしいというか、おかあさんらしいというか{/嬉しい/}
立って歩くのだからまったくの動物の写実画でもなく、かといって、
擬人化されてるだけというのでもなく。
おかあさんやぎがつけてるエプロンなんか、絶妙な具合ですね。

おおかみのおなかを縫っている、おかあさんやぎの手つきの絵、すごいです。
そうそう、こういう縫い方、とうなづいてしまう手つき。
でもやぎなんですよ。

昔話の残酷性、については、まがりなりに知っている。
ただ残酷、っていうんじゃないんだ、っていうこと。
子どもの本には大切なんだということ。


ただ、自分の感情として、
「おおかみ しんだ!
 おおかみ しんだ!」

の大きな字、にはなじめない…。

井戸の水がぐるぐるとなって、緑色なのも、こわい。
そのまわりで子やぎたちがおどっているところ。

マーシャ・ブラウン絵、瀬田さん訳の『三びきのやぎのがらがらどん』で、
トロルがやっつけられても、あっさりしているんだけど…。
(参考:HPの『三びきのやぎのがらがらどん』の感想
「おれだ!」
だったかな?
大きな字体でかかれたセリフと、その場面の絵も、すっごくかっこいいんだけど。