「宇宙戦争」
H.G.ウェルズ/雨沢 泰 訳/
偕成社文庫



映画「宇宙戦争」を見て、本も読みました。

最初、落下してきたものは、映画のように地中にみえない形ではなかったので、
また映画は原作と違うな、と思いました。

でも、そこは違いましたが、
<ブチ犬亭>の主人が、あの「自動車修理」の人なんだ、とか、
あてはまるところがありました。(彼から馬車=自動車を奪ってしまった)
他にもいろいろ。川をわたる船の場面や。

(映画では、人が消滅してしまう光線だと思ったのは、「熱射線」だったんですね。)

本独自の場面かな?、と思い、気に入った場面は、
熱射線の箱が水にあたって、川が熱い水の波になるところ。

地下の部屋がある家の男は、本では副牧師と、砲兵の人にあてはまると思う。
瓦礫にとじこめられた家の場面が一番ハラハラする。

精神的に追い詰められた副牧師の人と、
宇宙人を見るための穴を奪い合ったり、食料のことでも、争う。
音をたてちゃダメなんだってば!
宇宙人のすぐ横で。

そして「ブーツ」です。
このぞーっとする場面が、映画でも、違う形でいかされていたなと思います。

この瓦礫の家の場面、(人物と、壁の穴から触手)、
佐竹美保さんの挿絵が印象的です。


時代が違う、乗り物も違う。内容は沿っている。
でも、やはりトム・クルーズは、この本の人と全然違う。
いくら、ヒーローでない父親としても。

ウェルズの話の人はもう少し、客観的に話すようかな、とも感じます。
科学者的であるような。

「ドードー鳥」や、「ウミガメ風味のスープ」(p.288)は、
この間、ラジオの「大人のためのイギリス児童文学」で、
ルイス・キャロルの回を聞いたときに、でてきたな、と思いました。