「わが谷は緑なりき」

1941年 アメリカ
原題 HOW GREEN WAS MY VALLEY
監督 ジョン・フォード


観たいと思っていた映画です。
ようやく観る事ができました。
白黒の、昔の映画ですが、とても良かったです。

ウェールズ文化祭でも、この映画のことが触れられていて、それからも観たいと思っていました。

ジョン・フォードの映画はいくつか観ましたが、これを観れて良かったと思います。

ウェールズの炭鉱の町。
ヒューは、この町から出て行く今、自分が少年だったころのことを思い返します。

炭鉱で働く父。年の離れた兄たちも、同じく炭鉱で働いています。
母はたくましく、明るく、一家の太陽、心臓のような存在です。
姉は美しく、優しく、末っ子のヒューをかわいがります。
家族は厳しくも優しい父を中心に、貧しいけれど、愛あふれていました。

家族愛、末っ子の小さな子。
どこか、映画の「鉄道員」を思い出しました。あれはイタリアですけれど。
ストの問題のことも、少し似ていますね。

貧しい村には、他のところからも労働者が来て、
炭鉱に雇われなくなる人もでて、
だんだんと生活は苦しくなります。
ストのことで、父を憎む人もでてきました。
そんなとき、母は、毅然として、強かった。

凍った河に落ちた母とヒューは、寝込み、
ヒューは、歩けなくなるかもしれないほどになりました。
でも、牧師さんが本の楽しみをくれました。
まずは「宝島」
(参考:HPの『宝島』の感想

ほかの本のタイトルもちゃんと見えればよかった。
牧師さんは、春になると、ヒューを連れ出し、
少し歩くように仕向けてくれました。


炭鉱の男たちは、よく歌います。
歌っているところ、バックに歌が流れるところ、いろいろあったと思いますが、
映画の場面場面に歌があふれていました。
信仰深く、素朴な人たち。

うわさ好きで、閉鎖的な人もいる町ですけれど、
炭鉱夫たちの歌が全編に流れるところは、心にしみます。

また、姉のアンハラッドを演じたモーリン・オハラの美しさ。
昔の女優さんはほんと、きれい。
白黒のにじんだようなバックに、顔のアップ。うるんだような瞳。
髪の毛のカールやアップスタイルはいったいどうしているんでしょう。
とてもきれいです。

みれてとてもよかった映画と思います。

(追記)
教会の、あれは誰なんでしょう、副牧師とは言ってなかったと思うんですけど、
会議みたいなので、怒っていたり、
牧師さんの言う事に反対して嫌味な口調でガミガミ言っていた人、
あの人、あれ、どこかで見た…と思ったら、
映画「我が道を往く」で、老神父を演じた人じゃないですか? バリー・ フィッツジェラルド。