ゆきて帰りし道で

映画と、児童文学と、絵本 etc.

他ブログから引っ越してきました。 まだ体裁やリンクが不完全です。内部リンク切れしています。

本(サトクリフ)

「闇の女王にささげる歌」
ローズマリー・サトクリフ/乾 侑美子 訳
評論社



イギリス人なら誰でも知っている(?)という、イケニ族の女王、ブーディカ(ボーディッカ)
テムズ河畔には、その像もあるという
(ただし、戦車の車輪に大鎌がついているのは、間違いらしい)。

今まで読んだサトクリフの作品にも、文中に、時々、ブーディカの名前が出ていただろうか。
私が女王を知ったのも、たぶん、サトクリフの作品に名前がでてたからだと思う。

少年(青年)が主人公のことが多いサトクリフが、この実在の女王を、描きました。

「訳者あとがき」でも書かれていましたけど、サトクリフが女性を描くことはめずらしいですね。

(でもそこにある理由の中には、彼女の生い立ち(病気の体験から)も関係しているかもしれないと、
乾さんも指摘しているようにそのことを思うと、胸が痛む。
と同時に、そうか、今まで少年が主人公だったことの意味が、少しわかった気がする。)

この物語を語るのは、サトクリフの創作であろうか?、女王の竪琴弾き、カドワンという人物の目を通して。
ブーディカが幼い頃からいつもそばにいたカドワン。
ローマの仕打ちのつらさもわかるし、
ブーディカの中に、見知っているブーディカでないものを見たときの戸惑い。

岩波から出ている小説は、戦闘場面があっても、
少年の挫折や、友や信頼する人との出会い、成長が前面にでていた。
でも、こちらは、より惨酷で、まがまがしく、これは「児童文学」ではないと、思った。

やがてのち、ローマンブリテンの総督となるアグリコラが、
(若い武官として)母にあてた手紙の形でローマ側の動きを説明しているのが、
小説の流れを一方にだけ流れるのを押さえ、引き締めているのがうまいなと思いました。

「太陽の戦士」
ローズマリ・サトクリフ/猪熊葉子 訳
岩波少年文庫




再読です。

サトクリフのこの本、サトクリフの中でも、さいしょのほうに読んだ本。
ハードカバーだけだったけど、岩波少年文庫になった。
サトクリフのほかのも、少年文庫になってほしい。

これは、青銅器時代を扱った物語。
最初に読んだときは、あまり好みの時代ではないような気もちだった。
原始的というか、地味なように思えるし…
(でも、なにしろブリテンの歴史がわかっていなかった)
チャールズ・キーピングのさし絵も、あまりかわいくないと思った。

でも、サトクリフの作品を読んできて、またこれに触れてみて、
なかなかいいと思いました。
ようやっと、サトクリフの重厚さ、猪熊さんの訳の特徴、なれてきたというのもあると思う。

チャールズ・キーピングの絵も、なれてきて特徴がつかめてきたかも。
黒ぐろと縁取りしたような絵、人物の群像ふうみたいなところ。

(参考:HPの『夜明けの人びと』の感想

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