ゆきて帰りし道で

映画と、児童文学と、絵本 etc.

他ブログから引っ越してきました。 まだ体裁やリンクが不完全です。内部リンク切れしています。

本(未分類)

「ビーザスといたずらラモーナ」
ベバリイ・クリアリー 作/松岡享子 訳/
ルイス・ダーリング 絵/
学習研究社



なつかしい。
『ラモーナとお父さん』『ラモーナとお母さん』など、あたらしいものは
読んだけど、
この作品の改訂版が新しくでてたので、読んでみました。

ビーザスの妹、ラモーナのいたずらや、きかんぼのところは
並大抵じゃありません。

きょうだいの中の複雑な気持ちや、小さいきょうだいとの確執。
おもしろおかしく読みながら、わかる、わかるとうなずける、
現実の世界に沿ったお話は、人間の素直な心の気持ちを表しています。

絵画教室の、青い空に緑の馬の絵
おもいだしました。
色合いがあまり良くないとビーザス自身が思ったことや、
先生にあまり認められなかったことだけ覚えていたけれど、
ビーザス、さいごは、やったね♪

ラモーナが読んでとせがむ、スチームシャベルの絵本、「ちっちゃなスチームシャベル」
スチームシャベルというと思い出すのは、
バージニア・リー・バートンの『マイク・マリガンとスチーム・ショベル』
「スチームシャベルに目なんかついているはずがないじゃない」(p.13)

と思うビーザス。
関係ないかもしれないけれど、ダーリングの挿絵の、涙をこぼしているスチームシャベルを見ながら、
なんか、あのバートンの絵本と関係あるのかしら…?
と、思っていました。
クリアリーは、バートンの絵本になにか言いたいことでもあるのだろうか?

というのは、ただの想像ですけれどね。

面白さに、読みすすめていました。
面白いだけじゃなく、こころに響く、作品です。


「楽しいスケート遠足」
ヒルダ・ファン・ストックム 作・絵/ふなとよしこ訳/
福音館書店



本のお仲間がこれを読んでいて、知った本です。

オランダの、スケートを運河ですべるようなストーリーを知り、
『銀のスケート』を思い出しました。
図書館の新着コーナーにあったので、あ、あの本だ、と思い読んでみました。

あとがきを、そっと見ると、『銀のスケート』という文字が見えたので、
あ、やっぱり言及されてるのかな、と思いながら、
読む楽しみに影響しない程度にあとがきを読んでいってみると、なんと!
この人、『銀のスケート』の挿絵を描いたひととあるじゃないですかぁ~!

「作者自身は、日本にはさし絵画家として、一九五二年に邦訳が出た『ハンス・ブリンカー――銀のスケート――』(M・M・ドッジ作/石井桃子訳)でお目見えしていますが、今回はじめてお話を絵を合わせた作品が翻訳紹介されることになったいきさつは(後略)」(p.148 訳者あとがきより)


名前は忘れていたけれど、『銀のスケート』の感想を書き留めたデータを見てみると、
ほんとにそうだ。びっくりです。

この本は、アメリカで出版された当時は脚光を浴びたそうですが、
1994年に復刊されるまで60年間も手に入りにくい本だったのだそうです(訳者あとがきより)。

私は、ドッジの『銀のスケート』も良かったと思いますが、
(似たような、と言ったら言葉は悪いですが…、)
同じくオランダの運河のスケートを滑ってゆくストーリーを持つ、
作品の挿絵としてしか、(アメリカ版や他国の版の挿絵はヒルダさんだけなのか知りませんが)
日本で知られていなかったわけですよね…。
ご自分も、スケートのお話をお書きなのに…。
このたび、作品と絵もそろったものが、日本で出版されたわけです。良かったですね。
やっと日のめを見れた作品かな、と思って、読めてよかったです。

カラーの絵もとてもきれいです。
白黒の小さな挿絵はユニークな場面もあります。
スケート遠足で行った先で、ほかの学校の生徒と雪合戦がありました。
デ・ウィットさんが背中に雪がはいって、身をよじっているところはおもしろい。
学校の若い先生のお友達のわりに、おひげなんか生やしているのでびっくりしました。

みんなはつらつとして、愛情を受け、いい子たちです。
おとなしいシモンだけは家庭にめぐまれず、さびしい思いをしていますが、
危険がせまったとき、冷静で、機転がきくのは、シモンです。
エベルトも、もっとはやく、シモンに声をかけてあげればなあ…。

スケート遠足の途中で、氷の上にでているお店で食べたケーキ・コルスチェや、
農家でいただいた「雪のパンケーキ」など、
よく食べていますね~。
おいしそうです。




「ジンゴ・ジャンゴの冒険旅行」
S. フライシュマン作/渡邉了介 訳/佐竹美保 絵
あかね書房



スピーディで面白かったです。

少年ジンゴのいる、孤児院ダガット院長は、強欲なばあさん。
ジンゴはまけちゃいないけど、自分を捨てた父さんのことは心にひっかかっている。
会いたいわけじゃないんだ。
母さんのことは大事に心にしまってある。宝物のような思い出だ。

そんな時、煙突掃除屋のスカーロック将軍が、
すすはらいの用をさせるため子どもを探しにやってきた。
煙突掃除の仕事からはまんまと逃げ出したけど、宝の秘密を知っちゃった。
「クジラの歯」を手に入れたジンゴは、ジンゴを引きとりにきた謎の人物に出会う。
ピーコック氏は何者? 父さんのことを知っているのか?
すごい人だと思っていれば、やっぱり味方でないとも思う。
2人の旅は、続きます。

ピーコック=ヘムロック=ジョーンズ氏の手際の鮮やかさや、
何者かわからないハラハラ感もあって、楽しく読めました。
旅程は長いのに、余計なことは書かない感じで、ちょっと、さっさとすぎていく感じもしたけど。。

ロマの人たちの言葉の響きが、風変わりで魅力的。
ピーコック氏に「チャヴォー」(ぼうず)なんて、呼ばれてみたいかも。

佐竹さんの絵のジンゴがかわいいの。
ボストンからメキシコまでの地図も、見て楽しいです。

「王女さまと火をはくりゅう」
イディス・ネズビット 作/猪熊葉子 訳
岩波書店(岩波ようねんぶんこ)



ラジオの「大人のためのイギリス児童文学」を聞いて
ネズビットの『宝探しの子どもたち』を読もうかと思ったんだけど、
まずはこちらにしました。
りゅうがでてくるみたいで、読みたかったし。
訳が猪熊葉子さんですし。

で、もう忘れていたのですが、これ、『ドラゴンがいっぱい!』の本に入っていた話でした。「火をふくドラゴン」という話だと思います。
(参考:HPの『ドラゴンがいっぱい!』の感想

ブタ飼いのエルフィン、という若者がでてくるのですが、
そのエルフィンという名前が気になってたことがあります。エルフみたいだし。
今回読んで、あれ、エルフィンって…、と。

今回のこの本はこの話ひとつだけです。
また訳の雰囲気が違います。

挿絵の影響もあるのでしょうが、こちらを読んでいて、
王女とエルフィンの愛はドラマティックだと思いました。

「熱い、熱い、熱い。でもエルフィンは、がけにつくまでけっして手をはなしませんでした。」(p.58)


りゅうのために海がお湯になって漁師のひげそりの湯になった、とか、ユーモアもあります。
王女さまは豚を守るためとはいえ、最後はちょっとドキっとするほど厳しい命令を出しますね。

「白くまマリヌス」
フランス・ベアリナー 作/フルール・ブロフォス・アスムセン 絵/
奥田継夫 木村由利子 共訳/
大日本図書



白くまのこぐま、マリヌスティヌスの誕生、そして、成長。


「くまのブウル」を思い出した。

でもこちらは、雪と氷の世界

「ぽかっとでた雪あなの外。
 明るい!
 きらきらしている!
 (中略)
 それに、外の世界のひろいこと!(p.6)」


うまれたときは、子ねこぐらいだったマリヌスとティヌスも、
アザラシをとるようになり、やがてひとりだちしていく。

「白くまはさすらう。一生、さすらい、さまよいつづける。」(p.22)


人間との出会いも描かれます。
マリヌスのほうから見て、襲うつもりはないときに、
人間がとった行動が、ユーモアも交えて語られます。

これは、もとは、アルカルック・ビアンコという人が遭遇した、白くまの話。
この話を再話した人の手も経て、まわりまわって、ベアリナーのこの『白くまマリヌス』の中に入りました。

『白くまマリヌス』の最後、「お話のあとで」で、そのビアンコの本来の話が読めます。
こちらは、人間の気持ちから書かれているから、こわかったことがわかります。

お話の中のマリヌスには、人間がこわがっていることが理解できなかったんですね。

ユーモアもあるし、
また、雪と氷の厳しさがある世界で、さすらい続ける白くまの姿の厳しさ、宿命のようなものが、印象にのこりました。

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