「ノンニとマンニの冒険」
ヨーン・スウェンソンという人の書いた、『ノンニとマンニのふしぎな冒険』という本があることを知った。
この人は、カトリックの神父さんらしいのです。
児童文学の名著みたいだったので、読んでみたく思いました。
『ノンニとマンニのふしぎな冒険』は読めなかったけれど、
昔でていた、『ノンニとマンニの冒険』を読みました。
訳の山室静さんが、解説で、
(この本の初版が1976年ですからその時点で)スウェンソンの書いたものの訳がいくつか日本でもでていて、
御自分でも二冊(『ノンニ少年の大航海』、『ノンニ兄弟の冒険』)を訳されたことを書いている。
でも私が読めたのは、この「ノンニとマンニの冒険」だけ。
「ノンニとマンニの冒険」、「鱒とり」、「アフリカの砂漠で」の3つのお話が入っています。
ノンニというのは、スウェンソン自身の少年時代の呼び名で、お話も、自分のことだそうです。
いくつもお話があるらしいですが、アイスランドで暮らした子ども時代のことを書いた話が一番楽しいと、山室さんがこの3つのお話を選んで収めたそうです。
今でている「ノンニとマンニのふしぎな冒険」はまた違うお話でしょうか。
読んでみたいものです。
スウェンソンと言う人は、昔、1937年に、日本にも来て、「第二のアンデルセン」などと新聞に書かれたんだそうです。
「日本アイスランド協会」 のサイトに、
スウェンソンの訪日70周年記念の展示会とシンポジウムのことが載っていました。
2008年秋にあったんですね。知らなかった。
シンポジウム「アイスランドの神話・歴史とノンニ童話」というの、
司会は、あれ、伊藤盡さん、トールキンのエルフ語の研究している人だ!
わぁー、聞いてみたかったなあ。
(参考:HPの、『指輪物語 エルフ語を読む』の感想)
鱒をとるノンニの奮闘には、誰もがひきつけられ頷くところがあるでしょう。
山を登るノンニと弟のマンニの冒険。ふたりが山の上から見た眺め。
白夜なのでしょう。
山から帰れないと困り始めたとき、既に夕日の時刻になっていたようですが、
それからの夜の長いこと。
ハラルドと過ごし、幼い二人は眠っても、ハラルドは、二人の家まで降りて二人の安全を報告して戻ってくるのですから。
夜中におきた二人が外にでると、山は夜のはずなのに、うっとりとした色に染まっています。
西は、青く、
東は、炎のように火のように輝きます。
美しいです。
『ノンニとマンニの冒険』、読めてよかったです。
スウェンソンの書いたシリーズがいくつもお話があっても、絶版になっているのが惜しいです。
ヨーン・スウェンソン 作/山室静 訳
国土社(国土社版 世界の名作21)
国土社(国土社版 世界の名作21)
ヨーン・スウェンソンという人の書いた、『ノンニとマンニのふしぎな冒険』という本があることを知った。
この人は、カトリックの神父さんらしいのです。
児童文学の名著みたいだったので、読んでみたく思いました。
『ノンニとマンニのふしぎな冒険』は読めなかったけれど、
昔でていた、『ノンニとマンニの冒険』を読みました。
訳の山室静さんが、解説で、
(この本の初版が1976年ですからその時点で)スウェンソンの書いたものの訳がいくつか日本でもでていて、
御自分でも二冊(『ノンニ少年の大航海』、『ノンニ兄弟の冒険』)を訳されたことを書いている。
でも私が読めたのは、この「ノンニとマンニの冒険」だけ。
「ノンニとマンニの冒険」、「鱒とり」、「アフリカの砂漠で」の3つのお話が入っています。
ノンニというのは、スウェンソン自身の少年時代の呼び名で、お話も、自分のことだそうです。
いくつもお話があるらしいですが、アイスランドで暮らした子ども時代のことを書いた話が一番楽しいと、山室さんがこの3つのお話を選んで収めたそうです。
今でている「ノンニとマンニのふしぎな冒険」はまた違うお話でしょうか。
読んでみたいものです。
スウェンソンと言う人は、昔、1937年に、日本にも来て、「第二のアンデルセン」などと新聞に書かれたんだそうです。
「日本アイスランド協会」 のサイトに、
スウェンソンの訪日70周年記念の展示会とシンポジウムのことが載っていました。
2008年秋にあったんですね。知らなかった。
シンポジウム「アイスランドの神話・歴史とノンニ童話」というの、
司会は、あれ、伊藤盡さん、トールキンのエルフ語の研究している人だ!
わぁー、聞いてみたかったなあ。
(参考:HPの、『指輪物語 エルフ語を読む』の感想)
鱒をとるノンニの奮闘には、誰もがひきつけられ頷くところがあるでしょう。
山を登るノンニと弟のマンニの冒険。ふたりが山の上から見た眺め。
白夜なのでしょう。
山から帰れないと困り始めたとき、既に夕日の時刻になっていたようですが、
それからの夜の長いこと。
ハラルドと過ごし、幼い二人は眠っても、ハラルドは、二人の家まで降りて二人の安全を報告して戻ってくるのですから。
夜中におきた二人が外にでると、山は夜のはずなのに、うっとりとした色に染まっています。
西は、青く、
「数かぎりない色合いを持ち」(p.117)
東は、炎のように火のように輝きます。
「山の頂という頂には、すべてまっかに燃える炎がそそぎかけられていた。しかも、まわりのすべてがなんと厳粛に静まりかえっていたことか! 大きな山地全体が、まるで深い祈りにふけっているかのように――」(p.118)
美しいです。
『ノンニとマンニの冒険』、読めてよかったです。
スウェンソンの書いたシリーズがいくつもお話があっても、絶版になっているのが惜しいです。