ゆきて帰りし道で

映画と、児童文学と、絵本 etc.

他ブログから引っ越してきました。 まだ体裁やリンクが不完全です。内部リンク切れしています。

絵本(戦争と平和、人権など)

「いわたくんちのおばあちゃん」
天野夏美 作/はまのゆか 絵
主婦の友社





NHKのテレビ学習教材で、「おはなしのくに」っていう番組があるんですよ。
(参考サイト:NHKのサイトより「おはなしのくに」

これ、いいんですよ。
こんな番組あるなんて、知らなかった。
役者さんとかが、絵本や物語を朗読、っていうのか、半分一人芝居みたいな感じでやるんですけどね。

学習教材なんて思ってみてませんでしたけど。
いまの小学生は、学校でこういうの見れるんですね。

それで、この「いわたくんちのおばあちゃん」を見ました。
朗読は、安達祐実さん。

 
いわたくんの友だちの「ぼく」が語る形式になっていて、
いわたくんのおばあちゃんが、どうして、写真を写すときぜったいに入らないか。

これは、原爆のことのはなしです。
原爆を体験したちづこさんの、ほんとうの話。
平和学習で、娘の岩田美穂さんが、母・智津子さんの体験を語っています。

8月のあの日の前に撮った、家族写真。
はまのさんの絵でも、再現されていますが、
最後に、本当の写真も掲載されています。

胸がつまります。

ぜひ、多くの人に読んでほしい本です。

「ローズ・ブランチュ」
クリストフ・ガッラス ロベルト・イノセンティ 作/
ロベルト・イノセンティ 絵/
ロニー・アレキサンダー 岩倉務 訳/
平和博物館を創る会 編
平和のアトリエ





8月に読んできた、平和の絵本。
今年は、これを見つけました。
イノセンティと表記があるけど、インノチェンティの絵本!

読んだあとで気づいたけれど、これ、
一度読んでみたいと思ってた「白バラはどこに」と同じ絵本なんですね!
訳(出版)が2つあるとは知らなかったです。

ローズ・ブランチェという少女が見た、戦争。
ローズ自身はそれほど不自由な暮しをすることもなく、戦争のこともよくわかってはいない様子。
けれど、他の子供たちが気づかなかったことに気づいた。
男の子が、車から逃げて、市長さんに阻まれ、また車に乗せられる。
そこの場面の絵をみると、それが文章で書かれたことよりずっとひどいやりかたなのがわかる…。

ローズは車を追いかけて(?) 森の奥へ入っていき、そこで見たものは…。


 
途中、戦争が終わったように思って、もしかしたら、収容所の人たちは解放されるんじゃないか?と感じた。
でも、違った……。

さいごは、とてもショッキングでした。

これ、実話なのかな?と思ったけど、そうではないようです。
「ローズ・ブランチェ」が、「白バラはどこに」と同じ…。そうか、ローズ・ブランチェって、白バラっていう意味なんですね。
ドイツで白バラというと、思い浮かぶことはあるけれど、
ここでは、少女の名前とされていて、それとは直接象徴とか、そういうことではないみたい。

それはともかく、森に入っていくローズの表情とか、絵のインパクト、ありますね。

「Brother Eagle, Sister Sky(ブラザー イーグル、シスター スカイ)
酋長シアトルからのメッセージ」

スーザン・ジェファーズ 絵/
徳岡久生 中西敏夫 訳
JULA出版局



絵は、絵本「HIAWATHA(ハイアワサものがたり)」の絵の、スーザン・ジェファーズです。
(参考:HPの『ハイアワサものがたり』の感想


ここ数年、八月には、平和のことを考える絵本を読もうとしています。

 
ディズニーの映画「ポカホンタス」を観ました。
ディズニーの映画は、あまりTVで放映してくれないので、これははじめて観ました。
絵がきれいだし、歌も壮大で、「この映画、好き!{/ひらめき/}」って思いました。
(ポカホンタスの肩ひもの服は、ちょっと…と思いましたケド{/汗/})

でも、ウィキペディア見たら、アメリカ先住民の人たちには、とても評判が悪い映画ということがわかりました。

事実に沿ってなく、部族の習慣も、ポカホンタスがいたところとは違うように描かれているし、
歌の歌詞も差別的な言葉があったりと、いろいろなことが書かれていました。

そうなのか…。
 
 
時代は違いますけど、アメリカ先住民のことが書かれている絵本だな、と思って手にとりました。

たたかいの末、土地を買い上げられようとしたとき、
北西部の部族の指導者、酋長シアトルが語った言葉を元にした絵本です。
(酋長シアトルの言葉は元の形は手紙や演説といわれたり、はっきりしなくなっているそうです。)

シアトルの土地の名前は、彼からとられているのでしょうか。知らなかった…。

大地との結びつき、自然とともに暮すことを説いた言葉。
スーザン・ジェファーズの精密な絵は、先住民の人たちに親近感を抱かせてくれます。

また、先住民の人たちの姿が、「透けてる」ところがあるんですよね。
ずっとこの土地が受け継いできたことを示し、見守るかのように。
表紙は白人の男の子の肩に手を置く(手が透けてる)、酋長(?)です。
威厳があります。

「あおい目のこねこ」
エゴン・マチーセン 作・絵/せたていじ 訳
福音館書店



絵本というより、本のような形と厚さなんですが、
読んでみると文と絵で1ページが構成されているので、絵本なのかなと思います。

瀬田貞二さんの訳で、前からチェックしていたもの。
有名な絵本のようですが、読んでみて、最初はよくわからなかったのが本音。

疎外され、いじめられる猫がテーマのように思ってたけれど、
この猫を見ていると、そんなに悲愴でない感じがした。

「青い目のげんきなこねこ」はねずみのくにを見つけにでかけます。
ねずみのくにはどこか、魚にきいたら、青い目を見て大笑いされた。
他の者たちにも、受け入れられない。

「なーに、なんでもないさ」

とこねこは言うけれど、この台詞、途中からでなくなってる。
はりねずみに丸くなられたのはきついな。
でも猫は、ヘコむかと思ったら、そうでもない。

五ひきの黄色い目のねこたちの、目の、いじわるそうなこと。
「きみは、ひとりでさがせるんだろ、
 青い目のねこだもの」

きっつー。
この、「さがせるんだろ」と「青い目のねこだもの」、の間には何の脈絡もない。

「おもしろいことをしてみよう。なんにもなくても、げんきでいなくちゃいけないもの」

このポジティブさは、どこから来るのでしょう?

後ろの作者紹介を見たら、
「シャムねこを主人公にしたこの「あおい目のこねこ」」
とあった。
シャムねこだったんだ。
そういわれてみれば、絵はシャムねこに見える。
このあおい目のこねこ、かわいいですね。


絵本 「せんそうとへいわ」
マイケル・フォアマン/せたていじ 訳
評論社



夏、この季節。
戦争と平和の本の特集。去年(?)こんなのがあるんだと知った本。
瀬田貞二さんの訳だし、読んでみた。

うーん…。
ちょっとわかりにくい…。

ライオン王の国は、かわいて、何も実らなくなりました。
となりぐにには食べ物がどっさりあります。
ライオン王は、となりの国に、お願いしにいくことになります。

そのライオン王は、すごく細くて、甲冑を着ているのが、
『ドン・キホーテ』を思い出してしまいました。
長いたてがみで、憂いをおびた表情で座って、考えているライオン王。

「たべもの大じん」と二人で、となりの国にいくのですが、
なぜか自転車で行きます。
「たべもの大じん」は小柄なので、サンチョ・パンサみたいにも見えます。

となりの国に近づくと、山々が見えてきますが、それが、ケーキとかお菓子なのです。
それがとてもリアルな絵なので、異様な感じです。
写真のコラージュかとも思ったのですが、絵で描いてあるのでしょうか。

となりの王はとても太り、お願いしても話が通じません。

このとなりの王や家来は、人間のようですね。
ライオン王の国びとは、動物たちのようです。

ライオン王が、たべもの大じんに、昔自分たちの国が広くて、獣たちがいた森などのことを語った、ということから、
何か、動物・自然とその破壊、未来像、人間のおろかさとか、自然と人間の対立とか、いろいろテーマは見つかりそうです。
でも、そうなのでしょうか。フォアマンが言いたかったことが、
いまひとつつかめない気がしました。

結果的に、意図しなかったことが起こります。その絵は美しい。

平和の大切さをえがいているのはわかるのですが、
ちょっとつかみどころがないような、風変わりな絵本のように思いました。

ライオン王の長い槍の先についている旗のしるし、
ハートマークでした。

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