ゆきて帰りし道で

映画と、児童文学と、絵本 etc.

他ブログから引っ越してきました。 まだ体裁やリンクが不完全です。内部リンク切れしています。

石井桃子さん関連

「やまのこどもたち」
石井桃子 文/深沢紅子 絵/
岩波書店(岩波の子どものほん)



石井桃子さんの本、見つけました。

1956年が初版のようなので、かなり昔の子ども時代のお話ですが、
犬のなまえが「じょん」
そういえば、昔はジョンが多かったのかなあ。

きょうだいの中でもまだ小さい、たけちゃんが主人公。
春、夏、秋、冬の季節を過ごします。

なしの木にのぼったら、お父さんが気づかずにはしごを持っていって降りられない。
ん、このようなシチュエーション、他の本で見たことあるぞ。何の本だっけ。
思い出した!
『すえっこOちゃん』だ。
あれも石井桃子さん訳だった。

運動会で、はぐれてしまって、おばあさんをさがすたけちゃん。
その気持ちが伝わってきて、胸にしみます。
時代は変わっても、こういうことは変わりません。

年越しの日には、さかなやさんが来ます。
お正月もそうだろうけど、年越しの日にもご馳走を食べるんですね。

「おまえと おれと どこへ いく?」たけちゃんは ききました。
「らいねんへ。」

というところが好きです。

「はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー」
ばーじにあ・りー・ばーとん 文・絵/いしいももこ 訳/
福音館書店



バージニア・リー・バートンの絵本です。

タイトルと作者名がひらがなのところを見ると、
幼い子ども向きなんでしょうね。

『ちいさいおうち』なんか、どうだったのかなあ。
作者名はカタカナだったような気がする。

読んでみて、
でもこちらの『けいてぃー』、けっこう難しい気がする。

お話は、単純だけど、
バートン独特の、絵の周りの説明画というか、
「55ばりき」とは、みたいな感じで、馬が五頭ずつ並んでいたり、
トラックの種類がたくさんあったり。
とにかく、周囲の絵、楕円形やカーブのついた繰り返し図模様、
東西南北の様子、
細かい部分から始まってさいごは俯瞰図で、パノラマ体験、と
バートンワールド、大展開、って感じ。

疲れてるとき読むと、ちょっとしんどいかも。。

バートンという人は、方向感覚とか、立体図の感覚がある人なんだな、という印象があります。
『せいめいのれきし』で、「太陽がこっちで家の方角がこっちだから…」みたいに
頭をひねった覚えがある。

しかし、『ちいさいおうち』がたいへん人気があり評価も高くて、
こちらはそんなに有名でなさそう(というわけではないかもだけど…)
なのは、どうしたことでしょう。
どこが違うんでしょう。
バーバラ・エルマンの『ヴァージニア・リー・バートン 『ちいさいおうち』の作者の素顔』で、
エルマンの感じていたことは書かれていたように思うけど。

 
「けいてぃー」って、ひらがなで見ると、なんだかちょっと違和感を感じる。
「ケティ物語」とかの、「KATY」かな、とは感じた。
原題を見ると、「KATY AND THE BIG SNOW」なので、
合ってた。
だけど、絵の中のけいてぃーにはなんと、
「K.T.」というイニシャルが書いてあるじゃないですか!!
どちらがほんとうなの?
「はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー」と見たとき聞いたとき、
どちらかというと「K.T.」という印象がある。
皆さんはどうでしょう?

けいてぃーも、ちいさいおうちや、メアリ・アン(『マイク・マリガンとスチーム・ショベル』)、キャリコ「『名馬キャリコ』)?
などと同じく、女の子ですね。
(参考:『月刊MOE 2009年9月号(特集「ちいさいおうちとアメリカ黄金期の絵本」)』

じょせつきをつけた、けいてぃー。
じょせつきが大きなハートみたいでかわいい。



「ありこのおつかい」
石井桃子 作/中川宗弥 絵/
福音館書店



続いて石井桃子さんです。

これは面白かった!

これから、かまきりを見たら、「きりお」という名を思い出してしまいそう。

ありこがのみこまれるところは、一瞬ぎょっとしたけど、
丸い円の絵がおもしろいのと、
次々とたべられていく、繰り返しの楽しさがある。

また、
「いやだあ、いやだあ。あやまったのに たべるなんて――ばかあ!」

の言い方がおかしい。
むくすけの、
「わるものお!」
はインパクトありますねえ。

くまきちのおかあさんは、よくできた人(くま)です。。

「ちいさな ねこ」
石井桃子 作/横内 襄 絵/
福音館書店



石井桃子さんの絵本です。
石井桃子さんの本は、おもに翻訳のほうが心に浮かぶのです。
絵本の文も書いていらっしゃるのですね。

絵のこねこが、とにかくかわいいです。
見てて、<かわいい~。きゃー、きゃー{/複数ハート/}>と読んでいました。

かなり昔の絵本なので、
人間のこどもの服や髪型、車の絵などが古っぽい雰囲気なのは否めません。
しかし猫のかわいさは、いつの時代も普遍ですからね。

「ちいさな ねこ、
おおきな へやに
ちいさな ねこ。」


ぽつんと一匹いる、こねこのたよりなげな表情。真っ白な空白。
最後のページと対になっているのでしょうか。


「こすずめのぼうけん」
作:ルース・エインワース/絵:堀内誠一/訳:石井桃子
福音館書店



これを読み、「行って帰る」形式の絵本だな、って思いました。
厳密には、自力で帰るわけじゃないけど。

絵は堀内誠一さん。
すずめの絵、最初は、ちょっと頭でっかちで目も大きいところ(特にこすずめ)、
すこしデフォルメしている形と思った。
でも、クライマックスの絵、
「ぼく、あなたの なかまでしょうか?」(p.26)
と、いうところの絵、
ぐっとリアル感、増しているように思います。
そして、この絵、こすずめの目に涙が光っているようにも見えます。
この絵には、ぐっときますね。

そして、この絵本、繰り返しの場面と文でできているでしょう。
なんだろう、『おだんごぱん』とか、『てぶくろ』とか、(ちょっと違うかな?)
にもあるような。
そこも、子どもに向いている絵本だと思うのですが、どうでしょう。

(参考:行って帰る物語について、HPの関連記述 『ジョン・ギルピンのゆかいなお話』





↑このページのトップヘ