ゆきて帰りし道で

映画と、児童文学と、絵本 etc.

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石井桃子さん関連

雑誌「ミセス」2008年3月号(No.638)
文化出版局

特集「石井桃子の宇宙」



以前、「ミセス2007年9月号、イギリス湖水地方」 を読みましたが、
その前から読みたかった、この石井桃子さん特集の号。
やっと読むことができました。(特集以外のところは読んでません。。)

最初に、石井さんの字で

「本は一生の友だち」という言葉が載っています。

「本は友だち。一生の友だち。
 子ども時代に友だちになる本、
 そして大人になって友だちになる本。
 本の友だちは一生その人と共にある。
 こうして生涯 話しあえる本と
 出あえた人は、仕あわせである。
             石井桃子」
(p.218)


まさに、子どもの本に生涯をささげた、石井さんならではの言葉ですね。

『プー横丁』や、『ノンちゃん雲に乗る』の、古い版の本の写真などが、カラーで載っていたのは嬉しい。
(私の読んだ『ノンちゃん雲に乗る』は、水色の表紙で、それ以前に賞をもらっているはずだけど、それがどんな版かわからなかった。)

『白い象の秘密』 エラリイ・クイーン。へえ、こんな本もあるんだな。
『ティモジーの靴』 ユウイング
あっ、ユウイングって、児童文学の歴史の中なんかにでてくるユーイング夫人のことだろうか?

江國香織さん、朝倉摂さん、金井美恵子さん、中川李枝子さんが、言葉を寄せています。
江國さんが、
「むしろ、石井さんが日本語に訳した「うさこちゃん」が読めない(中略)他の国の子どもたちはかわいそう、とさえ思ってしまうくらい。」(p.222)
に、石井さんがかかわった本に触れた日本のこどもたちは幸せ、と書いていました。

んー…。子ども時代に、そんなにたくさん、石井さんのも、他の人の訳の本もじっくり読んだことがないので…。

中川さんの文章中にでてきた石井さんの言葉、
「つまらない本を読まされる子どもはかわいそう」(p.228)


グサっ。
んー…。ま、幼い頃はともかく、もう少し大きくなってもたくさん読書しなかったのはもったいなかったと思うけど…。

 

石井さんの開いた「かつら文庫」の写真もいくつか。

また、カナダ・トロントでの写真が気になります。
後ろに書架があるのは、これが、「オズボーン・コレクション」なのかな?
書架に書いてある文字、「LOFTING」 「MACDONALD」…。
わー、本がたくさん。
1979年、そんな昔に訪れておられたのだなあ…。

「知っておいてほしい石井桃子の本」のリスト。
まだまだ読んでいない本がたくさん。
読んだ本、載ってなかったりする…。
ま、マイナー本からせめていくのも、面白いですね。


(追記)
「一九七九年、カナダ、トロントの「オズボーン・コレクション」を訪ねる。」(p.227)
とあったので、そう思ったのだけど、
書架のある部屋の写真、これは、たぶん、コレクションのある、トロント公共図書館の「少年少女の家」の書架ではないかと思う。
(オズボーン・コレクション室での写真も、別に載っている。)


(追記)
上記追記に関しては、後日読んだ『児童文学の旅』を参照。

「義経と弁慶」
谷真介 文/赤坂三好 絵
ポプラ社



「義経と弁慶」のお話は前に読みたいと思って、この絵本を見つけていました。
今までも何冊か読んだ、ポプラ社の「日本の物語絵本」シリーズです。

このあいだ、石井桃子さんの『ノンちゃん 雲に乗る』を読んでいたら、
ノンちゃんのお兄さんが幼稚園のときに弁慶役をやった場面があったので、
この絵本をやはり読もうと。


「京の五条の橋の上」の歌があるけれど、イメージだけは何となく頭に浮かぶ。
少年の牛若丸が、ひらりひらりと橋の欄干に飛び乗るような…。
でも、弁慶がどうして義経の家来になったのか、きちんと知らなかったし。

まず、後ろの解説からいきました。
監修の、西本鶏介さんの書いたものです。
すると、弁慶との一騎打ちは五条の橋の上ではなく、清水の舞台とあるではありませんか。
えっ、五条の橋じゃないの。

まず、この絵本は、
「室町時代の『義経記(ぎけいき)』を原典として」

いるということだそうです。

『平家物語』や『源平盛衰記』とはまた違い、
「史実をふまえたフィクションであるところに歴史ロマンならではの魅力」
にあふれた義経記。
判官びいき、悲劇的ヒーローに涙する心情がますますアップするように、工夫されている、ということでしょうか。

弁慶との一騎打ちが清水寺の舞台になっているのも、興味をひくように
「見物人のいる」
ところでさせている、ということだそうです。

(んっ? 待てよ。
義経記がフィクションロマンで、一騎打ちが清水の舞台になっているとすると、
五条大橋で戦う、というのはどこに書いてあることなんだろう?)


絵は、これは版画でしょうか。
ざくっとした線が、力強くていいですね。
いちばんしびれるところは、弁慶が矢にうたれても、すごい形相で仁王立ちしているところ。

「鉄橋をわたってはいけない」
ベティ・ローランド 作/石井桃子 訳
岩波書店(岩波ようねんぶんこ)



石井桃子さん、から、見つけた本だったかな。

挿絵は、寺島竜一さんです。

「ようねんぶんこ」これでまだ2つしか読んでないけれど(『こぎつねルーファスとシンデレラ』)、
っていっても、そんなにおこさま向けというような感じはせず、
短めではあるけれど、わりと読み応えある感じのシリーズですね。

「鉄橋をわたってはいけない」なんて、
「ようねん」向けにしては何だか硬派なタイトルですね。

これはファンタジーや童話系ではなくて、リアル的現代ものでした。


ジェイミーは、パパが死んでしまうまでメルボルンに住んでいましたが、
今はママの実家の農場にいます。
ジェイミーは七つで小さいので、いとこのマルコムも相手にしてくれません。
川の向こうのピンカートンの家にはいろんな年頃の子どもたちがいて、遊びたいのだけれど、
ひとりで鉄橋をわたることは禁じられているのです。

列車が通る鉄橋をわたるというモチーフ、映画の「スタンド・バイ・ミー」を少し思い出しました。

デイビッドおじさん(マルコムのお父さん)がマルコムにおやすみを言いにくるところは、胸がちょっと痛みます。

「なんだ、なんだ、ぼうず。もう何もかも、だいじょうぶなんだ。」(p.78)

この台詞はほっとしますね。

短い筋の中に、小さい男の子の気持ちや、孤独や、そして冒険、心の回復の物語が凝縮されていました。

「こぎつねルーファスとシンデレラ」
アリソン・アトリー 作/石井桃子 訳
岩波書店(岩波ようねんぶんこ)



石井桃子さん関連、続きます。

『時の旅人』で有名な、アリソン・アトリー
(参考:HPの『時の旅人』の感想

こんな本もあるとは知りませんでした。

しかも、この本には前編として、『こぎつねルーファスのぼうけん』というのがあるそうで、これも知らなかった。

「こぎつねルーファスのシンデレラ」 「こぎつねルーファスと一角獣」
の二編が入っています。

石井さんのあとがきに、こちらは一角獣がでてきたりと、
「前篇より、この本のほうが、ずっとふしぎの要素が強いように思われます」(p.74)
とありました。

また一角獣の解説や、イングランドとスコットランドの紋章と、争い、
それらが現われた童謡が文中にでてくることなどが興味をひきました。



(追記)
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「くまの ブウル」
リダ・フォシェ 文/フェードル・ロジャンコフスキー 絵/いしいももこ訳・編
童話館出版




『かわせみのマルタン』に続き、カストール叢書の本。

今度も、福音館のじゃなくて、復刊されたほうのバージョンで読みました。

『かわせみのマルタン』は自然がとても詩的に美しく描写されていた。
それに比べると、こちらはもう少し、親しみやすく面白い感じ。

くまの母親が
「そっけないとうさんだこと!」(p.9)
と文句を言ったり、
くまの兄弟が、学校仕立ての描写で、音を聞いたりつめをといだりということを勉強する場面。
興味津々のこぐまたちがかわいい。




関係ないけど、
くまが冬眠する場面からはじまる、その冬眠。
甲状腺の本を読んでいるとき、
くまが冬眠できるのは甲状腺の働きの調節のおかげだと書いているのを見て、
『くまのブウル』を思い出し、そうだったんだと感心した。



(追記)
『のうさぎのフルー』読みました。

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