ゆきて帰りし道で

映画と、児童文学と、絵本 etc.

他ブログから引っ越してきました。 まだ体裁やリンクが不完全です。内部リンク切れしています。

石井桃子さん関連

「ノンちゃん 雲に乗る」 
石井桃子 著/中川宗弥 画
福音館書店



あまり日本の作品は読んでいないんですが、
石井桃子さんの作品だし、読んでみようと思いました。

最初は、おとうさんの話、おかあさんの話と続くので
半分くらい進んでも、これからまだまだ続くのかと、ちょっと飽きてきそうになりました。

でも後半のほうが、ぐっと進めて読める気がする。

あ、気がついたことが。
雲に乗っている間のは、文章の色が藍色のように青くて、
前後の部分では文字は黒い。


なんだか映画『オズの魔法使』を思い出しました。

ん、そういえば、あれも、これと似ていないでもないですよね…。
というとネタバレになりそうなのですけど。

雲に乗るって、なんとなく、ああいうことかと思っていたことが、あって、
でも、はっきりとわからないこともある。
(長吉さんも雲に乗っていたのに)

ノンちゃんはいい子です。
おじいさんがおにいちゃんの肩ばかりもつので、
そのときは、ちょっと不満だった。

だって、おにいちゃんはいかにもいたずらだし、不注意なのは本当ですもの。

でもおじいさんはおにいちゃんの話ばかり聞きたがりますよね。
ノンちゃんは、わざと「シャクシジョウギ」(p.108)なのじゃないし、
成績が良いのだって、自慢してるわけじゃないのです。

でも読んでいるうちに、小さい心の中にある複雑な思いが、
「修身の目次」(p.184)のようにでなく、ありありと描かれていることが伝わってきました。
おにいちゃんがどういう人物か、ノンちゃんにとってどういうおにいちゃんか、
おじいさんは、やさしくきびしく諭してくれました。

最後のほうは、悲しい感じですね。
そして、おにいちゃんも長吉も、あまりできた人物になってほしくなかったような…。

年月がたって、ノンちゃんが大人になっても今でも、アークトルス(麦星)(p.243)は、空に輝いていますね、きっと。


「かわせみの マルタン」
リダ・フォシェ 文/フェードル・ロジャンコフスキー 絵/いしい ももこ 訳編
童話館出版



瀬田貞二さんの『絵本論』でも載っていた、
「ペール・カストールの画帖」のシリーズの(?)1冊。

「かわせみの マルタン」って、タイトルがなんだか口調というか語呂が妙に心地いい。

他にもペール・カストールシリーズはあるようだけど、まずこれがタイトルが耳に目についたので。

以前は福音館書店からでていたようだ。
福音館のとどちらを読もうか迷ったけど、訳を見直したようだし、新しいほうを選んでみました。
でも、『かわせみの マルタン』の福音館版は見てないけど、
『のうさぎのフルー』の福音館版を見たら、版の大きさがもっと小さかった。
『のうさぎのフルー』を読むときはどちらにしようかなあ…。

「ペール・カストールの画帖」については、ベッティーナ・ヒューリマンの『ヨーロッパの子どもの本』(参考:HPの『ヨーロッパの子どもの本』よりにも載っていました。

「わたし」という人物の目を通して、川辺の生き物や自然、そしてあるときやってきたかわせみの、生態が語られます。
子どもの本といっても、こびたところがなく、
自然描写は、誇張も略もなく、ありのままに。
文章も美しいです。


(追記)
『くまの ブウル』読みました。
『のうさぎのフルー』読みました。

7/12分の、「土曜親じかん」という番組、はじめて見ました。
「本好きの子どもにしたいけど…」というテーマだったから、
本の題材だと思って。



この番組、司会は藤井隆さんと、漫画家の高野優さんです。

冒頭、タイトルが出る前に藤井さんが何かの本を読んでいるふりをしているバックに流れていたのは、あれっ、「ロード・オブ・ザ・リング」の曲だった?

高野さんが子どものころの思い出の本として挙げていたのはアンデルセンの「絵のない絵本」。気になっている本です。

ゲストの増田喜昭さんは、三重県(?)の子どもの本専門のお店の店主さんで、
うらやましかったのは、増田さんのお店での「本やさんに泊まる」という催し。

また、司会者・ゲストが増田さんを囲み、10歳の子どもの気持ちになって読書のすすめをきくというようなコーナーで、
増田さんが取り上げていたのは、『トムは真夜中の庭で』

増田さんは、肝心なところをあっさり言うので、焦りました。
だから、もしストーリーを知りたくない人は、再放送見るとしたら、気をつけてください。
でも、子どもたちなら、増田さんの話術を聞いた後、読みたくなるかも。

増田さんが挙げていた、石井桃子さんの言葉
「あなたを支えてくれるのは子ども時代の「あなた」です」

石井さんがどこでおっしゃった言葉なんだろう。


再放送は翌週土曜日の午後2:30からです。

(追記)
再放送は、終わってしまいましたが、
nhkのサイトみたら、8月23日(土) にアンコール放送、って書いてありました。
(現時点での情報です。調べてください。)

うーん、どうも23日は違うものの放送みたいでしょうか?(8月22日追記)


(追記2)
『絵のない絵本』読みました。

「いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう」
バージニア・リー・バートン 文・絵/むらおか はなこ 訳
福音館書店



バージニア・リー・バートンの絵本といえば、これ、忘れちゃならないような気がして、読んでみました。

何も知らないとき、なんとなくタイトルを知っていただけの時、
「いたずらきかんしゃ ちゅうちゅうちゅう」だと思ってました{/汗/}
(そのほうが語呂がいいじゃない?)
そして、なんとなくネズミがでてくるんだと。

違いました(笑)
CHOO CHOO、って機関車の音の擬音というか、そういうことらしい。
だって、そりゃ、いたずら機関車っていうんだもの。ねずみとは関係ないわね。。

CHOO CHOO TRAIN とか言いますものね。
ZOOもそうだし、ニール・セダカ(?)の歌でもあるかな。
英語圏の人にはシュッシュッポッポとかじゃなくて、CHOO CHOOって聞こえるのかな?

でもね、ちゅうちゅうが走るとき、訳はシュッシュッポッポじゃなくて、
「ちゅうちゅう しゅっしゅっ!」
なんです。
読んでると、ちゅうちゅうって走るような気がしてきます。

それはともかく、
訳はむらおかはなこさん!

バートンといえば、石井桃子さんや瀬田貞二さんという感じがあったし、
村岡さんの訳といえば?というと、はずかしながらアンくらいしか思いつかなくて。
絵本も訳してらしたんですね。

この絵本は、最後のページの解説を読むと、バートンの最初の絵本だそうです。
『マイク・マリガンとスチーム・ショベル』は、次男マイケルのためだけど、
こちらは機関車が好きな長男アリスのためだそう。

表紙内側のカラフルな絵を除けば、黒一色で、骨太な絵が迫力あります。
木炭みたいな、太くざっくりと書かれた黒々した感じが、機関車のイメージとも合う。

ちゅうちゅうには、はっきりとじゃないけど、なんか目鼻みたいな感じにみえるものがあって、笑っているように見えるところもあるけど、
最後のほうは泣いてる。

『ヴァージニア・リー・バートン 『ちいさいおうち』の作者の素顔』で、
この絵本のことだったろうか、確か、ジムのことを危機におちいったヒロインを救うヒーロー、みたいな表現をしていたところがあって、印象に残っている。
(それとも『マイク・マリガンとスチーム・ショベル』のほうだったかな?)
確かに、心細かったちゅうちゅうを、ジムが向かえにきてくれたときを思えば、そう思えるかも。

それと、思ったのは、ちいさいおうちや、スチームショベルのメアリ・アンと同じように、ちゅうちゅうも女の子なのかな。

「銀のスケート ハンス・ブリンカーの物語」中・下巻
M.M. ドッジ 作/石井桃子 訳
埼玉福祉会(大活字本シリーズ)



上巻から少しあきましたが、中巻、下巻、よみました。

中巻は、ハンスとグレーテルの家族の問題はおいておいて、
そのほか恵まれた少年たちのスケート旅行のことがどんどん書かれています。
運河の上をスケートでずっと旅していくんです。
なにせ氷がずっと続いているんです。
間に書かれている景色、風土、仲間たちの行動がめずらしかったです。

さっぱりしたキャプテン肌のピーター君。イギリスから来たベン
太めで気のいいヤコブ。いばりやなところもあるカール
ランベルトルードウィヒ

旅行や、オランダの歴史、気質の説明もいいけど、そういう記述が続くといったいどうなることかと思ってしまう。
でも、これは、訳者あとがきによると、
「この本もたいへん長く、お話でありながら、旅行案内であったり、歴史の本であったり」(p.213-214)

する面もあるようでした。
石井さんは、そういう部分は幾分省いているところもあるそうです。
(でないと日本の少年少女の読者には長すぎるのかもしれないですね?)
そして、驚いたことに、作者は、(オランダ人の血はひいているけれど)アメリカの人なんだそうです。

ハンスとグレーテルの家族は、どうなったでしょうか?
謎の事柄の真相は?
そして、銀のスケート靴は、誰の手に入ったでしょうか。

解決に至る展開がうまくいきすぎという点はあるかも。
スケート大会は一大イベントです。そこにも、爽やかな友情がみられました。

子供たちの将来。
わたしはカトリンカのところで涙がでた。
かわいいけれど中身のない、リンリンなるだけのベルのような、カトリンカ。
高慢なリシーよりも、まだ問題ありそう。そのうち誰からも相手にされなくなりそうな子。
でも、貧しくても誠実だったハンスや、立派なピーター、ヒルダアニーと違い、
嫌な子はこうなるのか。
カトリンカが
「本気になるということがあってくれれば」(p.205)
しあわせになれたのか。
うまく言えないけれど、心がいたみました。



(追記)
挿絵のヒルダ・ファン・ストックムの作品、『楽しいスケート遠足』読みました。

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