ゆきて帰りし道で

映画と、児童文学と、絵本 etc.

他ブログから引っ越してきました。 まだ体裁やリンクが不完全です。内部リンク切れしています。

ドラゴン・竜関連

「ドイツ・北欧の民話」
星野慎一・矢崎源九郎 共著
さ・え・ら書房



「世界民話の旅」シリーズの1です。
監修(責任編集委員)の中に、『ないた赤おに』の浜田廣介さんの名前がありました。
それから、著者の矢崎源九郎さん、名前を聞いたことがあると思っていたら、
ポール・アザールの『本・子ども・大人』の訳(共訳)されている人だった。
(参考:HPの『本・子ども・大人』の感想

民話だけでなく、北欧の神話も入っていて、
またドイツの伝説として「不死身の勇者(ニーベルンゲン物語)」が入っていたのがよかった。

あと、ドイツの民話の中で、「おばあさんのまごごろ」
これは、わたしはたしか、アンデルセンの童話として読んだお話と同じような話だった。
星野慎一さんは、解説の中で、
チリ地震津波の時半鐘を鳴らして知らせた東北のあるおじいさんを思い出したと書いていますが、
そういう人がいらしたのですね。私はアンデルセンで読んだとき、「稲むらの火」の話を思い出しました。
(参考:HPのアンデルセン童話全集3の感想

ノルウェーの民話では、「太陽の東、月の西」も入っていました。
(参考:HPの『ノルウェーの昔話』の感想


矢崎さんの解説の中には、エッダとサガのこともあった。

「勇士ボズワルとロルフ王」としてこの本に挙がっている、
「ロルフ・クラキのサガ」。
他にもボズワルのことがかかれているエッダやサガがあるそうですが、
「ボズワルがロルフ王のもとにむかえられるこのお話は、」(p.342)
とあるのは、「ロルフ・クラキのサガ」のこと、だろうか?
「イギリスにつたわる古い詩「ベーオウルフ」のなかのお話と、たいへん似ています。」(p.342)
とあった。
「勇士ボズワルとロルフ王」を読むと、ベーオウルフほど、深刻なお話ではなかったようだけど…。
(参考:HPの『ベオウルフ』の感想

「ラグナル・ロドブロクのサガ」からとったという、「ラグナルの竜たいじ」
には竜がでてきました。



(追記)
ロルフの関連記事

「封神演義 ナージャとりゅうおう」
唐 亜明 文/于 大武 絵
講談社



りゅう がでてくるのかな…? と思って読みました。

中国の明の時代の小説の『封神演義』からとられているお話みたいです。
東洋ふうの風変わりな絵で、カラフルで、ちょっと今まで読んでいたのと違う絵本の感じでした。
唐亜明と于大武のコンビでは、西遊記の絵本もあるのでしょうか?


りゅうおうは、獣としてのりゅうじゃなくて、顔はりゅうだけど、人間みたいな姿で着物も着ていました。
迫力の、正面づらです{/汗/}
りゅうおうの息子は、りゅうの姿で現れたので、その絵はうろこのあるりゅうの姿でした。


海の波のしぶきの感じ、北斎でしたっけ…? 浮世絵の、富士山と波の絵の…。
ああいう波しぶきの感じで、雲の描き方も、東洋的だなと思いました。

仙人のところの蓮や鶴の絵とか、真面目な絵がらのタッチもあり、
デフォルメされた絵本的な可愛らしさのある絵がらもあり。
ストーリーはハラハラドキドキもあって、動きのある絵本でした。

ナージャは,とっさに,けんを じぶんの くびに あてて,さけびました。
「おい,りゅうおう。ぼくの いのちと ひきかえに,みんなを たすけて くれ。」


ナージャが仙人にもらった輪、けんこんけん(乾坤圏)と
赤い布、こんてんりょう(混天綾)、
また、ふうかりん(風火輪)、かせんそう(火尖鎗)という乗り物や武器の名前がかっこいいですね。

「フリー フォール」
デイヴィッド・ウィーズナー 作
ブックローン出版



絵だけで、文章のない絵本です。

これはウィーズナーで最初に手にとった絵本。竜の絵があったけど、その時はちゃんと読んでいなかった。『おぞましいりゅう』を読んで、あの『フリーフォール』の人だなと思った。

フラニーさんからもウィーズナーのことをきいたので、読んでみようと思った。

3メートルもある絵を、絵本にまとめたものだそうです。
だから、絵がずっと続いている。

かくし絵みたいになったり、徐々に絵が変化していきながら風景が流れていくのがおもしろい。

木立の中に本がある。本のページは石段になっていたりする。
風景の中にクロワッサンもあった。

あの、ギョロ目の宇宙人みたいなのと、帽子を目深にかぶった人物はなにもの?

「青い竜と 黄色い竜」
松谷みよ子 文/遠山繁年 絵
太平出版社



少し間があいてしまいました。

図書館にいったら、見ようと思っていた絵本がみあたらなくて、
頭が混乱。
いっぱい他にも、チェックしたい本があるけれど、
それらがすぐに思いつかないし。


違う絵本を探すことにする。
すると、いくつか、発見があって、よかった。
この絵本もそう。
竜の絵本だ。みつけられてよかったな。


「絵本 かんこく・ちょうせんのみんわ 第1集」の12、です。

白いひげをはやした老人の絵、仙人みたい。
竜井(リョンジョン)という池のぬしで、青い竜、青竜(チョンリョン)です。

絵は、池とか、ほかもところどころ、貼り絵になっているのかなあ。



どろどろと大地はゆれ、
いなずまが天をきりさき、
すでに二ひきの竜は
はげしく たたかっていた。
金武達(キムムダル)は、
もうおそれてはいなかった。
弓をきりきり ひきしぼり、
矢を ひょうといた。
(p.18)


まものと戦うときには、つばをつけた矢で射るんだそうです。


竜に矢を射こむところは、なんか『ホビットの冒険』思い出しました。

「四人のきょうだい」
バージニア・ハビランド/バーバラ・クーニー 画/間崎ルリ子 訳
学校図書



『妖精の妻』で読んだ、学校図書の「世界の昔ばなし」シリーズの、4 スペイン です。
バーバラ・クーニーの絵がついていることを知って驚き、読んでみました。

この『四人のきょうだい』は、バーバラ・クーニーというだけでなく、りゅうの絵があったので、興味がわきました。
スペインの昔話が6つ、はいっていますが、りゅうがでてくるのは、表題作の「四人のきょうだい」

きょうだいの中で、<末っ子>がいちばん手柄をあげることになる、定番のお話ですが、
きょうだいたちも一緒に行動するしそれなりに活躍します。
欲のない末っ子と、
「やぎのちちしぼりをしたい」
という王女。なんだかそぼくでほのぼの。

りゅうとおもっていたのは、「うみへび」、と訳されていました。絵をみると、身体はへびのように長い。顔はりゅう、という感じです。いわゆる、東洋のりゅう、のような感じです。りゅうや、うみへび、といってもいろいろあるんですね。


「半ぺらひよこ」は、途中はこわい感じもしますが、ラストは意外でおもしろい。

「鬼のカーランコ」は、おおかみと七匹の子ヤギのおはなしみたい。
子やぎは三匹で、おおかみでなく、鬼だけど。
すずめばちの修道院長、というのがでてくるのは、変わってますね。

子やぎ三匹の絵がカワイイ。
やぎって目がこわいですけどね。

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