「はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー」
ばーじにあ・りー・ばーとん 文・絵/いしいももこ 訳/
福音館書店



バージニア・リー・バートンの絵本です。

タイトルと作者名がひらがなのところを見ると、
幼い子ども向きなんでしょうね。

『ちいさいおうち』なんか、どうだったのかなあ。
作者名はカタカナだったような気がする。

読んでみて、
でもこちらの『けいてぃー』、けっこう難しい気がする。

お話は、単純だけど、
バートン独特の、絵の周りの説明画というか、
「55ばりき」とは、みたいな感じで、馬が五頭ずつ並んでいたり、
トラックの種類がたくさんあったり。
とにかく、周囲の絵、楕円形やカーブのついた繰り返し図模様、
東西南北の様子、
細かい部分から始まってさいごは俯瞰図で、パノラマ体験、と
バートンワールド、大展開、って感じ。

疲れてるとき読むと、ちょっとしんどいかも。。

バートンという人は、方向感覚とか、立体図の感覚がある人なんだな、という印象があります。
『せいめいのれきし』で、「太陽がこっちで家の方角がこっちだから…」みたいに
頭をひねった覚えがある。

しかし、『ちいさいおうち』がたいへん人気があり評価も高くて、
こちらはそんなに有名でなさそう(というわけではないかもだけど…)
なのは、どうしたことでしょう。
どこが違うんでしょう。
バーバラ・エルマンの『ヴァージニア・リー・バートン 『ちいさいおうち』の作者の素顔』で、
エルマンの感じていたことは書かれていたように思うけど。

 
「けいてぃー」って、ひらがなで見ると、なんだかちょっと違和感を感じる。
「ケティ物語」とかの、「KATY」かな、とは感じた。
原題を見ると、「KATY AND THE BIG SNOW」なので、
合ってた。
だけど、絵の中のけいてぃーにはなんと、
「K.T.」というイニシャルが書いてあるじゃないですか!!
どちらがほんとうなの?
「はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー」と見たとき聞いたとき、
どちらかというと「K.T.」という印象がある。
皆さんはどうでしょう?

けいてぃーも、ちいさいおうちや、メアリ・アン(『マイク・マリガンとスチーム・ショベル』)、キャリコ「『名馬キャリコ』)?
などと同じく、女の子ですね。
(参考:『月刊MOE 2009年9月号(特集「ちいさいおうちとアメリカ黄金期の絵本」)』

じょせつきをつけた、けいてぃー。
じょせつきが大きなハートみたいでかわいい。