ゆきて帰りし道で

映画と、児童文学と、絵本 etc.

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ぞうのババール

「ぞうのババール こどものころのおはなし」
ジャン・ド・ブリュノフ 作/やがわすみこ 訳
評論社



プーランクの 音楽物語「ぞうのババール」
を聞いて、絵本も読んでみることにしました。

一度読んでから、番組をもう一度見ながら、本も見直してみました。
驚いたのは、文章や言葉が少し違うところや、文章の順番が違うところがあったこと。

本ではあって、朗読では抜けているページがあるのは、
ブリュノフの構成自体がそうなっているのかな? それとも番組上?
言葉が違うのは、訳が改版とか、そういうことがあったとか?
それとも番組上、聞き取りやすく変更されたのか?

言葉が違うところ:例
「きれいな みち すてきな じどうしゃ」(p.10)

      ↓
「きれいな 大通り りっぱな じどうしゃ」


こういうのは、わかるんですけど、

「なんとなくさびしかった」(p.24)

      ↓
「やっぱりさびしくてたまらなかった」


これはだいぶニュアンスが違うと思う。

「ババールのけっこんしき」 「ババールのたいかんしき」
「オーケストラにあわせ とりたちがうたう」

といった言葉も、絵本のほうにはなかったです。

ババールとおばあさんが体操をしているところの音楽は面白かった。
かろやかな音と、どしんどしんした感じの音、
二人をあらわしているのかな、と思った。

音楽にはなかったけれど、
絵本のほうで楽しいのは、ババールが服を調える場面。
りっぱな紳士に変身です。

ババールの「写真」の絵や、星空の下のババールとセレストの、
白黒の絵は他の絵とまた違う味わい。



また、ベッティーナ・ヒューリマン『ヨーロッパの子どもの本』で、
ブリュノフとババールのことが取り上げられていたのを読み返してみました。
(参考:HPの『ヨーロッパの子どもの本』

『ババール』ははじめて読んだので、
ヒューリマンさんが、『ヨーロッパの子どもの本』でババールについて
どんなことを書いていたのか、覚えていなかった。

私には、(まだ一冊しか読んでいないけど)、ババールは魅力的だけれど
ブリュノフの書く動物の絵はなんだかヘタウマな絵柄…と思えるむきもあるのだけど、
ヒューリマンさんによると、ババールは、大変すぐれた絵本らしい。

シリーズを通して、あのか細い「おばさん」の人物像。そのあらわすもの、その果たす役割。
また、ブリュノフがスイスで療養しながら描いた話であり、舞台はアフリカであっても、
そこに現れているのは、あたたかい<フランスの家庭>の姿である、と。
そういうことが書いてあって、そうなんだ…と思いながら読んでいました。



新聞のテレビ欄に、「音楽物語 ぞうのババール」という文字を見つけました。
NHKの「芸術劇場」



ブリュノフの絵本「ぞうのババール」
フランスの作曲家、プーランクが、
おいやめいのために
「この絵本のストーリーと音楽を融合させた音楽物語を作った」
ということだった。

「ぞうのババール」はまだ読んでいないけれど
こんなのがあるのか…と思いみてみました。
以前、アニメになったババールは一部、みたことがあります。

スタジオの中のセットで、原田知世さんが朗読をして、
江口玲さんというひとが、ピアノを弾きました。

原田さんが座っているうしろに、緑の生垣がぞうの形になっている。
鼻が長すぎない…?

ある場面を朗読したところで、その場面に対して作られた曲が演奏され、
それが交互に続きます。
雰囲気はでているなと思うところもありましたが、
ちょっと意外な感じの曲もあったような。
お母さんがババールをおんぶ(?)してるところとかだったかな。
ぞうの歩き方の重々しい感じをあらわしているのだろうか。


また、その他に
ラヴェルの「マ・メール・ロア」という曲も演奏されました。
江口玲さんと山中千尋さんの二人の演奏です。
「マ・メール・ロア」をはじめとしたフランスの昔話より5つのお話をモチーフに作られた曲だったかな。

あれ、マ・メール・ロアって、なんかマザーグースと関係あったような…。


(追記)
絵本「ぞうのババール」読みました



(追記)
関連記事:「名曲探偵アマデウス マ・メール・ロア」

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