「あおい目のこねこ」
エゴン・マチーセン 作・絵/せたていじ 訳
福音館書店



絵本というより、本のような形と厚さなんですが、
読んでみると文と絵で1ページが構成されているので、絵本なのかなと思います。

瀬田貞二さんの訳で、前からチェックしていたもの。
有名な絵本のようですが、読んでみて、最初はよくわからなかったのが本音。

疎外され、いじめられる猫がテーマのように思ってたけれど、
この猫を見ていると、そんなに悲愴でない感じがした。

「青い目のげんきなこねこ」はねずみのくにを見つけにでかけます。
ねずみのくにはどこか、魚にきいたら、青い目を見て大笑いされた。
他の者たちにも、受け入れられない。

「なーに、なんでもないさ」

とこねこは言うけれど、この台詞、途中からでなくなってる。
はりねずみに丸くなられたのはきついな。
でも猫は、ヘコむかと思ったら、そうでもない。

五ひきの黄色い目のねこたちの、目の、いじわるそうなこと。
「きみは、ひとりでさがせるんだろ、
 青い目のねこだもの」

きっつー。
この、「さがせるんだろ」と「青い目のねこだもの」、の間には何の脈絡もない。

「おもしろいことをしてみよう。なんにもなくても、げんきでいなくちゃいけないもの」

このポジティブさは、どこから来るのでしょう?

後ろの作者紹介を見たら、
「シャムねこを主人公にしたこの「あおい目のこねこ」」
とあった。
シャムねこだったんだ。
そういわれてみれば、絵はシャムねこに見える。
このあおい目のこねこ、かわいいですね。