ゆきて帰りし道で

映画と、児童文学と、絵本 etc.

他ブログから引っ越してきました。 まだ体裁やリンクが不完全です。内部リンク切れしています。

エロール・ル・カイン

「かしこいモリー」
ウォルター・デ・ラ・メア 再話/エロール・ル・カイン 絵/
中川千尋 訳/
ほるぷ出版



ル・カインの絵本、新しいの見つけました!
そしてなんと文は、デ・ラ・メア

わーっ、と思って手にとりました。

イギリスの昔話だそうです。
私は、これそのものは読んだことがないかも?
ジェイコブズの本には入ってなかったかな…?(参考:HPの『ジャックと豆のつる イギリス民話選』の感想
忘れた…。

なぜというに、3人のきょうだいの末っ子が活躍するお話は沢山あると思うけど、
だいたい男の子が多いような気がします(そして、重要視されていない)。

こちらの活躍する女の子モリーは女の子。
三人の中でかしこいんですけど、
もともときょうだいからばかにされているというわけでもなさそう。
ちゃんとかしこい、って認められ、仲良かったのでしょうか。

そして、ル・カインの絵は、緻密さはいつもだけれど、
人食い大男の姿に、ル・カイン独特の雰囲気がありますが、
この絵本は、そんなに絵がくどくないっていうか、わりと普通な絵がらで、親しみやすいです。
モリーの髪型はおかっぱだし、あっさりさばさばした女の子って感じ。

でもお城や森、背景の自然や、服のひだひだなんか、その細かさを見ているとうっとりです。

雑誌「月刊MOE」 2010年1月号
白泉社

特集「映画「かいじゅうたちのいるところ」とセンダックの絵本」



センダックの絵本は読んだことがありません。
『かいじゅうたちのいるところ』も。
有名な絵本ですよね。

自分的には、どこか日本の絵本の『おしいれのぼうけん』(?)に通じるイメージがあると、
かってに思ってるところがあります。。
 

この特集は、映画になった『かいじゅうたちのいるところ』にあわせ、
映画のこと、センダックの絵本のこと、カラーのきれいな特集ページで楽しめました。
神宮輝夫さんの記事もあったし、
マザーグースグリムを描いたセンダックのこと。
センダックの絵本のリストもあって。

 
また、それとは別に、
エロール・ル・カインの展覧会にあわせ、
紙上ミニギャラリーがあったのがよかったです。



(追記)
センダックの『かいじゅうたちのいるところ』読みました。

「ね,うし,とら……十二支のはなし」
中国民話より
ドロシー・バン・ウォアコム 文/エロール・ル・カイン 絵/
へんみまさなお 訳/
ほるぷ出版



エロール・ル・カインの絵本、久しぶりです。
あんまりオリエンタルな絵本より西洋的なのが好きだし、
これはなかなか読もうとしてませんでした。

でも、こういう題材こそ、ル・カインの才能と魅力が発揮させるところですね。

これは、十二支の順番で、どうしてねずみが一番になったか、というお話。
うしと、一番の順番をあらそうんですけど、ねずみのほうが一枚うわてでした。
ちょっとずるい気もしますけどね。

動物たちの絵は、中国ふうな感じだけど(「りゅう」なんてまたすごくてね)、
私は馬って中国ふうな絵ではどんな感じかあまりわかってないのもあるし、
この馬はどこか、ユニコーンみたい、と思いました。(もちろん、つのはありませんけど)

しかし、ル・カインは、題材により、いろんな風味の絵がらを使い分けますね。
いろんな絵が描けて、独自性があり、異色な絵本作家さんですね。

アラジンと魔法のランプ
アンドルー・ラング 再話/エロール・ル・カイン/中川千尋 訳/ほるぷ出版



「夢のつづき わたしの絵本」
という番組、第一回(?)で、オペラ歌手の佐藤しのぶさんがゲストのときにこの絵本について語っていた。

やっと読めました。

ル・カインというので読みたかったのと、アンドルー・ラングという人も興味ある。でもラングの本は、あまり図書館でも見当たらないし。

この本のル・カインの絵は、オリエンタルなエキゾチックな感じで、さすが東洋にくわしいル・カインと思わせられる。
この人の絵は独特な感じを受ける。(っていうほどよく知らないけれど)、絵本というともっとかわいらしくほのぼのタッチを思いえがいていたら、ぜんぜん違うと感じさせられる人でした。


↑このページのトップヘ