「からすのカーさん へびたいじ」
オールダス・ハクスリー 文/バーバラ・クーニー 画/
じんぐうてるお 訳
冨山房



バーバラ・クーニーの絵本で、こんなのがあるの、はじめて知りました!

オールダス・ハクスリーというひとも知りませんでした。
「イギリスの小説家、批評家、エッセイスト」(p.38)

だそうで、この人の残した、ただ一つの子どもの本ということです。

姪のオリビアのために書きました。

しかし、この原稿は火事で焼けてしまいました。
作者も無くなり、忘れられていた原稿は、しかし隣人のヨスト夫妻がコピーをとっていたために、
残り、バーバラ・クーニーによって絵をつけられ、出版されたということです。

バーバラ・クーニーの絵は、私の印象では色が美しいのですが、
この絵本は黒と緑で、周りの景色などはありません。
クーニーでもいろんな絵のパターンがあるのですね。

お話では、作者が住んでいた砂漠地帯の、町の名前や、ヨスト夫妻など実在の人物の名前もでてきます。
先ほど言ったように、姪のために書いたものなので、自然とそうなったのでしょう。
しかし、神宮さんは、
「そんな場所を知らない読者には、さっぱりおもしろくないかというと、そうではないのです」(p.39)

と記しています。

「作者は、子どもに直接語ることを通じて、子どものための物語のこつを会得していたのではないかと思います」(p.40)


それを読んで、巻末についている地図と見比べて町の名前を見ながら、もう一回読まないと…と思いました。