「チョコレート工場の秘密」
ロアルド・ダール 作/田村隆一 訳
評論社(てのり文庫)



旧版のほうで読みました。

ジョニー・デップの映画は見ました。
(参考:HPの、映画の感想

映画の、独特の雰囲気、奇抜な感じは、監督の独特なセンスなのかな、と思っていました。
でも、本を読んだら、(それは違うところもありましたが)ほとんど、ストーリーはそのままと思えました。
ワンカさんの年齢とか(キャラクターも)、ラストシーンや、砂糖の船の大きさなんか違うかな?とかそういうのはありましたが、
寝台が一つしかなくて、そこでお年寄りたちが寝ているとかは、本当に本でもそうだった。
だけど、それでも、なにか他のものを見たような感じ。そんなに独特に感じなかったんですよ。

それでもウンパ・ルンパ族が歌うところは、映画を思い出しました。

ワンカさんが皆の目の前に現れたときの絵が好き!

シルクハット干ブドウ色の燕尾服
山羊ひげをはやし、顔は明るく輝き、利口そうで、リスみたいにすばやいワンカさん!

ジョセフ・シンデルマンという人の挿絵みたいですね。(表紙の絵(てのり文庫)は、中の挿絵と絵がらが違うけれど…、誰でしょう?)

燕尾服のすそをひらめかせながら廊下を走って突進していくワンカさん、好き。
とても小さい人なんですね。

子どもたちの名前、
「バイオレット・ボールガード」の「ボールガード」って、バイオレットがボールみたいになることと関係あるのだろうか。
「マイク・テービー」の「テービー」って、テレビみたい。

「わたしには、子どももなければ、家族もない。となると、わたしが老いぼれて、足腰が立たなくなったとき、わたしにかわって、いったい、だれが、チョコレート工場を、経営するのです? 」(p.268)

このセリフにはじんときました。