ゆきて帰りし道で

映画と、児童文学と、絵本 etc.

他ブログから引っ越してきました。 まだ体裁やリンクが不完全です。内部リンク切れしています。

ペール・カストール

「ゆきのひのおくりもの」
ポール・フランソワ 作/ゲルダ・ミューラー 絵/
ふしみみさを 訳/
パロル舎



絵がとってもきれいでかわいらしいです。

親切が、順繰りになっていくお話。

この絵本も「ペール・カストール」シリーズだそうで、*1
小さくて、優しく単純なお話ですが、なかなか味わいがありますね。

後ろの奥付のページの作者の解説のところに、
「本書は中国民話の再話」

とあって驚きました。
少し調べてみると、似ている絵本に、『しんせつなともだち』というのがあるそうなので*2
そちらもまた見てみたい。

*1
(参考:『かわせみのマルタン』



*2
(追記)
『しんせつなともだち』読みました。

「のうさぎのフルー」(カストールおじさんの動物物語2)
リダ 文/ロジャンコフスキー 絵/
いしいももこ・おおむらゆりこ 訳
福音館書店



『かわせみのマルタン』『くまのブウル』に続き、「ペール・カストールの画帖」より。

先の2冊は、童話館出版から復刊したもので、絵本のように大きな版になっていました。

今度は、以前の、福音館書店の版のほうで読みました。
本のサイズは童話館のものより小さいです。
(先の2冊は絵本のほうに入れましたけど、こちらは本に入れました。文章も多いような気がします。童話館のは「訳編」となっていたので、丸のままの文章ではないのでしょうか?)
また、こちらのほうは、石井桃子さんと大村百合子さん2人の共訳になっていたのですね。

フルーは、のうさぎ。
のうさぎのきまりは、あまりおかあさんうさぎが面倒をみないこと、だそう。
のうさぎの赤ん坊は、そのかわり、うまれながらに3つのおくりものをもらっています。
「かくれみのに、まほうのみみ、それと七里ぐつです。」(p.8)

「七里ぐつ」という言葉がいいなと思いました。

のうさぎの生態を描きながら、物語としても楽しかったり、ハラハラしたり。

野菜ばかりだけど、「フルーのこんだて」(p.19)の絵のおいしそうなこと。

「オードブル(ぜんさい)」は、「セロリ くきのまま」
「おもなごちそう」は、「ぬきたてかぶら」
「とりあわせサラダ」もあります。
「のみもの」は、「つゆ」ですって。
つゆの隣のガラス瓶の赤いものは何でしょうね?

写実的な絵も見ごたえがありますし、
フルーが走り回った跡が線で表されている、地図のような絵が面白い。

「くまの ブウル」
リダ・フォシェ 文/フェードル・ロジャンコフスキー 絵/いしいももこ訳・編
童話館出版




『かわせみのマルタン』に続き、カストール叢書の本。

今度も、福音館のじゃなくて、復刊されたほうのバージョンで読みました。

『かわせみのマルタン』は自然がとても詩的に美しく描写されていた。
それに比べると、こちらはもう少し、親しみやすく面白い感じ。

くまの母親が
「そっけないとうさんだこと!」(p.9)
と文句を言ったり、
くまの兄弟が、学校仕立ての描写で、音を聞いたりつめをといだりということを勉強する場面。
興味津々のこぐまたちがかわいい。




関係ないけど、
くまが冬眠する場面からはじまる、その冬眠。
甲状腺の本を読んでいるとき、
くまが冬眠できるのは甲状腺の働きの調節のおかげだと書いているのを見て、
『くまのブウル』を思い出し、そうだったんだと感心した。



(追記)
『のうさぎのフルー』読みました。

「かわせみの マルタン」
リダ・フォシェ 文/フェードル・ロジャンコフスキー 絵/いしい ももこ 訳編
童話館出版



瀬田貞二さんの『絵本論』でも載っていた、
「ペール・カストールの画帖」のシリーズの(?)1冊。

「かわせみの マルタン」って、タイトルがなんだか口調というか語呂が妙に心地いい。

他にもペール・カストールシリーズはあるようだけど、まずこれがタイトルが耳に目についたので。

以前は福音館書店からでていたようだ。
福音館のとどちらを読もうか迷ったけど、訳を見直したようだし、新しいほうを選んでみました。
でも、『かわせみの マルタン』の福音館版は見てないけど、
『のうさぎのフルー』の福音館版を見たら、版の大きさがもっと小さかった。
『のうさぎのフルー』を読むときはどちらにしようかなあ…。

「ペール・カストールの画帖」については、ベッティーナ・ヒューリマンの『ヨーロッパの子どもの本』(参考:HPの『ヨーロッパの子どもの本』よりにも載っていました。

「わたし」という人物の目を通して、川辺の生き物や自然、そしてあるときやってきたかわせみの、生態が語られます。
子どもの本といっても、こびたところがなく、
自然描写は、誇張も略もなく、ありのままに。
文章も美しいです。


(追記)
『くまの ブウル』読みました。
『のうさぎのフルー』読みました。

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