ゆきて帰りし道で

映画と、児童文学と、絵本 etc.

他ブログから引っ越してきました。 まだ体裁やリンクが不完全です。内部リンク切れしています。

マンロー・リーフ

「おかのうえのギリス」


マンロー・リーフ 文/ロバート・ローソン 絵/こみやゆう 訳

岩波書店





スコットランドのキルトを着た人たちが載っていたから、読みたくなりました{/音符/}



キルト、あこがれます~{/ピカピカ/}

(昔からの伝統ではない、っていうようなことも、聞いたことはありますが)



「はなのすきなうし」の、マンロー・リーフ ロバート・ローソン、コンビの絵本でした!



「はなのすきなうし」はスペインで、こちらはスコットランドですかあ。



ちびっこギリスは、お母さん出身の谷間の村と、お父さん出身の山の村と、

いずれどちらで住むかを決めなくてはなりません。



まず1年ごとに、それぞれの村で暮してみます。

谷間の村の人たちは、毛のもしゃもしゃした牛を飼い、山の村の人たちは、鹿の狩をして暮しています。



それぞれの村で朝ごはんをたべているギリスの絵が面白いんですよ。

帽子掛けや、マグカップが違う(それぞれの村にちなんだもの)けど、ギリスの顔や姿勢もそのまま同じで。



絵は細かいけれど、ちょっとコミックみたいな描写もあって、おもしろいですね。



まだ子供なのに1年ごとに違うところで暮すこととか、お父さんお母さんはどうしたとか

そういう現実的な暮しについては、書かれていません。しめっぽいことも書かれていません。



どちらの村で暮すか決めるときも、ただ、単純に決められないだけのよう。

ギリス自身は淡々としています。



ギリスを自分の村にさそう、おじさんたちは、必死になって大声だしたり、だんだんエスカレートするんだけど。



さて結末は…?



さいごのさいごは、1ページですごくあっさり終わっているので、ちょっとびっくり。



結論自体は、なんてすてきなんでしょ。

ギリスみたいに、自分の才を発揮できて、今の時代の日本のように迷うこともなく、

難しい手続きもなく、仕事や将来を決められたら…。



まっすぐに育ち、進んでいけるギリスの人生に乾杯。

知らぬうちに彼の道を育てたまわりの人たちにも。


「はなのすきなうし」
マンロー・リーフ/ロバート・ローソン 絵/光吉夏弥 訳
岩波書店



まっかなバックに、花をくわえた牛の絵。
インパクトのある表紙です。
有名な絵本ですよね?
はじめて読みました。

ひらくと、表紙裏の黄色い紙に、
「大闘牛
 フェルジナンド
 チョコレート・キャラメル・ホットドッグ」

の文字に鼻息荒い牛の絵が目をひきます。
ポスターでしょうか。子どもたちが指差しています。
迫力ある大文字の「大闘牛」の文字とか、
原書でみてみたいものです。
(チョコレートうんぬんいうのは、何でしょう。スポンサー?)

本文は
「むかし――
 すぺいんに、」

からはじまります。
この字が真っ黒じゃなくて、少し茶色いような色がついている。

絵がまた、いいです。
景色や遠景は、写実的で風格あり、
『ドン・キホーテ』の世界に迷いこんだ感じもして。

いざ、子牛や人物の場面は、子牛はかわいらしいけれど、
絵がら自体は黒で、男たちの顔なんか、ハードボイルドかも。

少し、バージニア・リー・バートンの『名馬キャリコ』を思い出しました。

コミック的な表現も、感じます。
蜂がさすところなんか、刺す場面をみせなくて、
それがわかる。
表情も面白い。
おや?というときや、驚いたときに顔もまわりにちょんちょんと線があったりするの、
コミックみたいですね。

あれえ?と思ったのが、コルクの木。
木にさがっているものを見てください。
ほんとはこんなはずないですよね。{/!?/}

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