「NHKアーカイブス 蔵出し劇場 あの人からのメッセージ」という番組で、
「虫の目線で見てごらん~熊田千佳慕と日高敏隆~」
というのを見ました。
(参考サイト:NHKのサイトより蔵出し劇場)
細密絵を描く絵本画家の、熊田千佳慕さんに興味があるので、
一応、文学カテゴリとしました。
今までいくつか見たTV番組と重なる部分もあったけど、
最初にファーブルの本の挿絵を頼まれたとき、
日本にはいない虫だったというのもあり、実際に見て観察して描くということが完璧にできなかったようで、
悔いの残る仕事だったようです。
そのことは知りませんでした。
その後、ファーブル昆虫記の絵をライフワークにさだめ、渾身の作を描いてこられたのですね!
千佳慕さんは、とてもいいお顔をしていらっしゃると思います。
肌もつやつやしているし、心がきれいなのが反映されているのでしょうか、
(それはもちろん苦しいこともたくさんあったにちがいないですが)
絵のこと、虫のことを語る熊田さんは、迷いのないようなお顔をしていらっしゃるように思えます。
まさに小さなものの目線、です。
真っ赤なとっくりセーターを中に着ているのも、すてき、と思いました。
日高敏隆さんという人は存じ上げませんでした。
動物行動学者、ですって。
ユクスキュルという人が書いた、「生物から見た世界」という本を読んで、衝撃をうけたとか。
「この世界が虫にはどう見えているか、ではなくて、虫がこの世界をどう見ているか」。
この人も、虫や動物の目線を持ったかたです。
生前は、出会うことのなかったお二人です。
でも、同じ目線をもっておられたのです。
「世界を、こんなふうに見てごらん」という日高さんの著書には、
熊田さんの絵が装丁に使われているそうです。