ゆきて帰りし道で

映画と、児童文学と、絵本 etc.

他ブログから引っ越してきました。 まだ体裁やリンクが不完全です。内部リンク切れしています。

渡辺茂男

「おおきくなりすぎたくま」
リンド・ワード 文・画/渡辺茂男 訳
福音館書店






濃いセピア色のような、一色で描かれていて
ちょっと深刻な話かなあと思った。

でも、そんなことないです。

1952年のコールデコット賞。

おかの上に住む、ジョニー・オーチャード君
かえでさとうのかたまりを、村に買いにいくたび、
それぞれの家の、熊の毛皮がほしてある納屋を見て、ばかにされているような気持ちになります。
自分の家では、全然そんなことがないから。

自分でしとめてやる、と森にはいったジョニーくん。

かわいいこぐま!

お父さんの、困ったなあ…と頭に手をやるしぐさが、物語っています。

「小鹿物語」のようなラストになるのではと、どきどきします。
(見てないけど)

実際には、こんなに大きく大きくなった熊が、
こんなに馴れ続けるわけ、ない、って思っちゃう。

そのあたりが、ちょっととまどう。
リアル系の話でないのだとしたら、じゃあ、
まるっきりの物語なのかといわれると?


「かもさんおとおり」
ロバート・マックロスキー 文・絵/渡辺茂男 訳/
福音館書店



よく聞くタイトルの絵本。読む事ができました。
『ジョニーのかたやきパン』の、マックロスキーです。

絵本ですが、ちょっとした本というくらいのボリュームがあります。
しぶいグリーンの表紙に、茶色のカモ。

こがもたちの名前は、
ジャック、カック、ラック、マック、ナック、ウァック、パック、クァック だそうで。

なんか、アフラックのCM思い出します。
でもあのCMに出てくるのはアヒルでした?
そうしたら、カモとアヒルはどう違うか、とか調べていました。
泣き声は似ているのでしょうか? 
「ぐぁっ! ぐぁっ! ぐぁっ!」
 って?
マージョリー・フラックの『アンガスとあひる』ではどうだったでしょうね~。
(参考:HPの『アンガスとあひる』の感想

話がずれてしまいました。
この絵本での画材はなんでしょう。
なんていうの、クレヨンでもなし。
とにかく、そういう類のものですか?
やわらかい、墨みたいなもの。
広い面をグイっとぬったり、人物の輪郭の力強い線。

チャールズ川の上をとぶ、かものマラードさんふうふの羽の線。
ちょいちょいちょい、と描いただけみたいなのに、ちゃんと羽。すごい。

人物の絵が好き。
マイケルおまわりさんの、でっぱったおなかの姿勢。
かもの行列を見守る人たち。
かもたちを守って道を通してくれたおまわりさんの絵をみて、
記憶の底にある『ゆかいなホーマーくん』をどこか思い出す。


原題『Make Way for Ducklings』
「かもさんおとおり」と訳した渡辺茂男さんのセンス。
(…よくわかんないけど、直訳すると、かもの子たちの為に道をあけろ(る)
って言う意味かな…?)


そして、あれ?と思ったのは、
「Ducklings」「-lings」です。

Duckはわかるけど、
「Ducks」じゃなくて、何だこの「Ducklings」とは?とふと疑問に思いました。

「duckling」で子ガモという意味みたいですね。
それはしらなかった。
だけどカモの「子」のことなんだな、と思ったのは、話の内容からわかるのもありますが、
思い出したのは。

トールキンの『指輪物語』で、ホビットのこと「halfling(s)」っていいませんか…?
小さい人たちだから、「half」はわかるけど、「ling」 って何だろう…?
って思っていました。
辞書を見ても載っていなかったし。
たぶん、「小さい」っていうことをあらわしているのかなと思ってた。

それを思い出し、この「Duckling(s)」の「-lings」 って、あれと関係ある言葉?と思ったんです。
「halfling」の方も、「-ling」のそういう(小さい)意味から取られているのかな、と。

「せかい1おいしいスープ あるむかしばなし」
マーシャ・ブラウン 再話・絵/わたなべしげお 訳
ペンギン社



『三びきのやぎのがらがらどん』マーシャ・ブラウン
(参考:HPの『三びきのやぎのがらがらどん』の感想)

こんな絵本があるって知りませんでした。

マーシャ・ブラウンに渡辺茂男
これは、はずれはないでしょう。

あとがきをみると、
「フランスの昔話「奇妙なスープ」を素材にしたもの」

とありました。
絵本の原題は「石のスープ」

読んでみると、これ、「くぎスープ」というお話に似ているみたい。

「くぎスープ」
前に読んだのは、何だっけ、と。
瀬田貞二さんの『世界のむかしばなし』という本の中に入っている「くぎスープ」で、自分の感想を読みかえしてみると、スウェーデンのお話ということです。
(参考:HPの『世界のむかしばなし』の感想

スウェーデンとフランス。
似たお話があるんですね。
 

おなかをすかせた3人のへいたいが、村を見つけて、食べ物と寝る場所をほしいと思うのですが…。

食べ物を隠してしまう村人、最初はけちだなと思ったけど、
ちゃんと理由が書かれているところは、しんみりします。

でもそのあとは、楽しい。
赤い上着を着て、長靴、ナポレオンみたいな三角帽子のへいたい。
機転をきかせるのだけど、最初は、そんな気の回る人たちだと思ってなかった。

にんじんをきっている剣は、腰にさしていた武器じゃないですか?
考えたら、あまり気持ちよくないですが…。
この絵自体はとても好きです。


マーシャ・ブラウンの絵がいいです。
表紙なんか、とっても楽しそう。



(追記)
(参考:『しあわせの石のスープ』

「あかいくるまのついたはこ」
モウドとミスカ・ピーターシャム 作/わたなべしげお 訳
童話館



アメリカで読みつがれた絵本だそうです。

この絵は、どんな手法で描かれているのでしょうか?
かすれたような独特のグレー色が、目をひきました。

ページの周りに赤とオレンジの飾り枠がついているのもきれい。
絵本全体がぱっと明るくなります。


庭の木の下にあかいくるまのついた箱がある。
木戸があいているので、動物たちたちは、興味津々。

「なんだろな?」


めうしからはじまって、順々にのぞいていきます。

かあさんがも が、
「しいっ!」
と、こどもだちに言っている絵がおもしろい。
おかあさんのほうがこどもたちより、声、でかい。。{/汗/}

さてさて、はこのなかにいたのは?

みんなあつまって見ていますよ。
太陽もみています。

しめだされてしょんぼりしている、動物たちの目に涙の絵が、かわいいのです。

「児童文学の旅」
石井桃子
岩波書店



雑誌「ミセス」2008年3月号 特集「石井桃子の宇宙」
から知ったんだったか、石井さんの『児童文学の旅』の本、読みたいと思って、達せられました。
読むのも長いことかかったし、なかなか感想を書けず、きちんとした書評になりません。

人もたくさんでてきて、名前もなかなか把握して読みすすめられません。

とにかく、読み応えがあって、石井さんて、すごい人だなと圧倒されます。

1950年代に船でアメリカへ留学。
それをはじめとして、何度も、海外へ。
児童文学にかかわる人、図書館員、作家さん、さまさまな人との交流。

『児童文学論』(参考:HPの『児童文学論』の感想)の、リリアン・H・スミスさんともたいそう仲が良くて、
その他有名な人たちともすぐ仲良くなってしまうみたいに思えて、
なんてすごいんだろうと思います。


『ミセス』に載っていた、トロント公共図書館の「少年少女の家」の書架じゃないか、って言っていた写真も載っていました!
「「少年少女の家」提供」(p.107)
と書いています。
同じく少年少女の家の「オズボーン・コレクション室」にての写真もありました(p.332)

老いたスミスさんのそばにいながら、
おかしなエピソードを「児童文学論」の共訳者の瀬田貞二さんと渡辺茂男さんに話そうと思っていたいたとあり、しかし、
「お話するまえに瀬田さんは亡くなった。」(p.339)
と書いてあって、しんみりしてしまいました。

たくさんの、児童文学ゆかりの地も訪れています。
心にとまったこと、書きたいこともたくさんあるのですが、まとまりません。
どうぞ、ぜひ、機会があったら、この本読んでみてください。



(追記)
(参考記事:絵本「あまがさ」

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