ゆきて帰りし道で

映画と、児童文学と、絵本 etc.

他ブログから引っ越してきました。 まだ体裁やリンクが不完全です。内部リンク切れしています。

生野幸吉

絵本 「クリスマスのものがたり」
フェリクス・ホフマン 作/しょうの こうきち 訳/
福音館書店



クリスマスの絵本フェリクス・ホフマンのがあった!
知りませんでした。
『グリム童話 ねむりひめ』で、とってもすてきな絵だと思ったフェリクス・ホフマン。

受胎告知から、幼子キリスト降誕の夜のできごとが、描かれます。
 

この絵本は、ホフマンの最後の絵本となったそうです。

福音館書店の、
「世界傑作絵本シリーズ・日本とスイスの絵本」
となっているんですが、
どうして「スイス」じゃなくて、「日本とスイスの」なんだろう?
ほかのホフマンは「スイスの絵本」なのに。

奥付を見ると、普通の場合はまず初版の外国の表記があるのに、これは、
「1975 Fukuinkan Shoten」
とあるから、日本で初版だったのかな??(わかりません)
 

参考:フェリクス・ホフマン関連図書:
『おおかみと七ひきのこやぎ』
『王子ヤンと風のおおかみ』(挿絵)

「もじゃもじゃペーター」
H. ホフマン作/生野幸吉 訳/飯野和好 絵
ブッキング



ホフマンの絵で読んだ、「ぼうぼうあたま」の別訳で
飯野和好さんの絵のものです。
訳は、オルファースの『ねっこぼっこ』で挙げた生野幸吉さんでした。

初版1980年に集英社から出た本の、ブッキングからの復刊です。

生野さんの解説が、オルファースの時もそうでしたが、やはり読んでためになります。
(解説は、集英社版にも載っていたのの再録だそうです)
最後の一文が、印象に残りました。
「 それにしても巻頭に一度だけ出てくる、もじゃもじゃペーターとは何者なのでしょう。子供たちの間での「英雄」かな、とぼくは思います。」(p.77)

確かに強烈なインパクトです。ペロっと舌をだして、
この版ではずいぶん現代的な格好をした(トレーニングパンツみたいなズボンに運動靴)、ペーターくん。
巨大に逆立った髪の毛。のばしまくった爪を見せびらかしています。
不敵に構えて堂々としています。

「スープぎらいのカスパルのはなし」
の、カスパル君、五日目の絵は、すごいです。やせ細っているなんてものじゃなくて…。

絵の中に、ローマ字で(伸ばす字は上に横傍線がついてる)、小タイトルや注釈みたいなのや文がついています。
例えば「空とぶローベルトのはなし」には、
「SORA・TOBU・
 ROBERUTO」
みたいに。
ローマ字なので、読むのがちょっと難しい。
字体の、斜め下に払うところが長く伸びている形が、気に入っています。(ちょっとエルフ文字(?)っぽい?)

 

(追記)
関連記事:福音館書店のメルマガの飯野さんの連載のこと


「ねっこぼっこ」
ジビュレ・フォン・オルファース 作/生野幸吉 訳
福武書店



このあいだ秦理絵子さんの訳のを読んだ、「ねっこぼっこ」(平凡社刊)
生野幸吉さんの訳の方のです!

並べてくらべたわけではないです。
前のはもうだいぶ忘れています…。以下の感想でも思い違いなどあるかもしれません。

この訳は、とてもリズム感や語感がいいと思いました。

くさや、いろんなむしたちも
  もう、まるでおおよろこびだ、
    いつまでも、いつまでも
 夏だったら、いいのになあ!

 
表紙の、「ねっこぼっこ」という文字のデザインが風変わりでかわいい。
蔦がくねくねっとまるまってるような。
(少し和風でもあるような感じもしますね。お相撲の番付(?)とか歌舞伎の文字にも似ていそう)

中の文章の文字、
手書きふうフォントみたいなかたちで、いいですね。
平凡社のほうのは、太い明朝体みたいな形だったと思う。

生野さんの解説も読みたかったので、読めてよかったです。

生野さんの解説の中には、(初版年は)1907年と書いてあった。
秦理絵子さんの訳の平凡社のほうには1906年とあったように思うんだけど…?

「Fubutake Publishing」
と書いてあったのにびっくり。
「ふぶたけ」なの? 「ふくたけ」だとおもってた。

(追記)
関連記事:
ハインリッヒ・ホフマンの『ぼうぼうあたま』

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