「みどりの船」
クェンティン・ブレイク/千葉茂樹 訳/あかね書房



クェンティン・ブレイクという人は、はじめて(?)読んだと思う。
ジョーン・エイキン(エイケン)の本の挿絵を描いている人だそうだ。

この本も、ジョーン・エイキンにささげられているようだった。
「ジョーン・エイキンに」
と書いてあった。

エイキンって、ダイドーの出てくるシリーズって船がでてきたりしますか。
「ぬすまれた湖」だけ読んだ。)
そういうの、関係あるのかな。

この絵本は、一面にみどりいっぱいで、<船>がでてきて…。
それが興味があって、読んでみた。

海や船の話、いま、興味ある。
(正確には、これは海や船の話ではなかったけれど)

トリディーガさんや<水夫長>のこころの持ち方が好きだなあ…。

なかなか、現実の生活のなかにいると、こういう心持ち、わすれてしまう。

時がすぎていって、船は船でなくなり、やがては緑にうもれてしまう…。
ノスタルジックという言葉は安易に使いたくないけれど、輝かしい季節の終わりに胸がキュンとします。でも決して湿っぽくはない。緑の船の思い出は、みずみずしく光りつづけているような気がします。

過去を振り返るような作品も、時々ありますね。
バーバラ・クーニーの「すてきな子どもたち」もそうだったし、少しタイプは違うけれど、ファージョンの「エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする」も思い出しました。
   (参考:HPの「エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする」の感想)

「あらしのとき、船長だったらどうするかしら。そうよ、あらしの
まんなかにむかって、すすむのよ。おもかじ、いっぱい!」
 (本文より)