ゆきて帰りし道で

映画と、児童文学と、絵本 etc.

他ブログから引っ越してきました。 まだ体裁やリンクが不完全です。内部リンク切れしています。

絵本

「絵本 マボロシの鳥」

藤城清治 影絵/太田光 原作・文
講談社





太田さんの、本、「マボロシの鳥」が、藤城さんの影絵の絵本になりました。

というか原作は読んでいない。

これは、絵本用に文章は短くなっているそうです。

でも、読み始めて、もともとの原作は知らなかったけれど、
文章がとても多いので、驚き、読みにくかったので、少しいやになっていました。
(この絵本は、絵本向けに少しは文章が削られたり、変えたりはされているらしいのですが)

結局最後まで読んだら、話はとてもよく、感動しましたが、
最初は、太田さんのことは「爆問学問」の番組くらいしか知らないけど、
太田さん独特の語り口というのか、
間に説明や突っ込み、茶々を入れながら語る文章がなじめなかった。
絵本というのは、文章が簡潔でないと。。と。

 

うーむ、でも最後はよかった。
最後の絵、だいすき!
最後の絵のチカブーの左肩から腕の辺りとか、すっごくすき{/ピカピカ/}

藤城さんの絵は、絵、じゃなくて影絵なんだ、と改めて知らされる。

あとがき、というか、太田さんのさいごのしめくくりのことば、良かったですー。
闇と影は違うんですって。なるほど。

影は光のあるところにしか出来ない、と。
手で作った鳥の影のことが書いてありました。

藤城さんの最後の絵が、まさにそうだと思いました。
舞台に立っている三人、それを迎える、無数の手。拍手や喝采でしょうか。
その手が、いつのまにか、鳥の形になっていると思いました。
マボロシの鳥のように。

藤城さんのこの本のことの番組を録画してあるので、見てみたいと思います。


雑誌MOEの9月号(コクリコ坂特集)の号で、
絵本 マボロシの鳥のことのコーナーありました。

藤城さんは、なるべく原文のままがいい、とおっしゃったように、書かれていたと記憶しています。

「スガンさんのヤギ」
ドーデ 原作/エリック・バテュー 絵/ときありえ 訳
西村書店





ドーデって、名前は聞いたことある。「風車小屋だより」
あの人の作品?

文は、詩人グランゴァールにあてて書いた手紙、という体裁になっている。

新聞社の職を捨てて、自由をほしがっているグランゴァールに、
スガンさんのヤギの話をしてやろう、という形で。

森で、自由を満喫して幸せそうなヤギの絵が、躍動しています。

字の色が時々違うところがあるのはなぜ。

 

気に入ったところ。
「息たえるためだけに、夜あけをまっていたのだ。」


あした、11月17日(木)、NHKラジオ第一の
「つながるラジオ」で、「こどもたちのための朗読特集」というのがあります。

長谷川義史さんの、朗読や、おはなしがあるようです。

午後3時10分から。

(参考サイト:NHKラジオ第一 「つながるラジオ」のサイトより

長谷川さんの作品はよくしらないんだけど、
被災地での活動、作品「ラーメンちゃん」のお話しも、聞けるでしょうか。

「おおきくなりすぎたくま」
リンド・ワード 文・画/渡辺茂男 訳
福音館書店






濃いセピア色のような、一色で描かれていて
ちょっと深刻な話かなあと思った。

でも、そんなことないです。

1952年のコールデコット賞。

おかの上に住む、ジョニー・オーチャード君
かえでさとうのかたまりを、村に買いにいくたび、
それぞれの家の、熊の毛皮がほしてある納屋を見て、ばかにされているような気持ちになります。
自分の家では、全然そんなことがないから。

自分でしとめてやる、と森にはいったジョニーくん。

かわいいこぐま!

お父さんの、困ったなあ…と頭に手をやるしぐさが、物語っています。

「小鹿物語」のようなラストになるのではと、どきどきします。
(見てないけど)

実際には、こんなに大きく大きくなった熊が、
こんなに馴れ続けるわけ、ない、って思っちゃう。

そのあたりが、ちょっととまどう。
リアル系の話でないのだとしたら、じゃあ、
まるっきりの物語なのかといわれると?


「いわたくんちのおばあちゃん」
天野夏美 作/はまのゆか 絵
主婦の友社





NHKのテレビ学習教材で、「おはなしのくに」っていう番組があるんですよ。
(参考サイト:NHKのサイトより「おはなしのくに」

これ、いいんですよ。
こんな番組あるなんて、知らなかった。
役者さんとかが、絵本や物語を朗読、っていうのか、半分一人芝居みたいな感じでやるんですけどね。

学習教材なんて思ってみてませんでしたけど。
いまの小学生は、学校でこういうの見れるんですね。

それで、この「いわたくんちのおばあちゃん」を見ました。
朗読は、安達祐実さん。

 
いわたくんの友だちの「ぼく」が語る形式になっていて、
いわたくんのおばあちゃんが、どうして、写真を写すときぜったいに入らないか。

これは、原爆のことのはなしです。
原爆を体験したちづこさんの、ほんとうの話。
平和学習で、娘の岩田美穂さんが、母・智津子さんの体験を語っています。

8月のあの日の前に撮った、家族写真。
はまのさんの絵でも、再現されていますが、
最後に、本当の写真も掲載されています。

胸がつまります。

ぜひ、多くの人に読んでほしい本です。

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