ゆきて帰りし道で

映画と、児童文学と、絵本 etc.

他ブログから引っ越してきました。 まだ体裁やリンクが不完全です。内部リンク切れしています。

絵本

「アンナの赤いオーバー」
ハリエット・ジィーフェルト 文/アニタ・ローベル 絵/松川真弓 訳
評論社





ひさびさの絵本感想、アップ。

よくタイトルは聞いてた絵本。

戦争で、こわれた街のようすの絵が、最初にある。
ショッキングだけれど、そのあと、
アンナのオーバーが小さくなったので知恵をしぼるお母さんとアンナに、暗い影はみられない。
家の建物は壊れ、窓は打ち付けてあり、街のお店はからっぽだけれど。

忍耐強いお母さん。
頭がさがります。
始終うかぶ、やさしい微笑みに力づけられます。





「だってだってのおばあさん」
佐野洋子/作・絵
フレーベル館





おばあさんは、
「だって わたしは 98だもの」(p.6)

「だって わたしは おばあちゃんだもの」(p.10)
が、口ぐせ。

でも99歳の誕生日にろうそくが5本しか用意できませんでした。

<5さい>になった、おばあさんは…。

わかるわかる、って、心にしっくりくる絵本。

男の子の猫、かわいい!
さかなつりにいく姿がかわいくって。



「おなかのかわ」
瀬田貞二 再話/ 村山知義 絵
福音館書店





瀬田貞二さんの絵本。

絵、村山知義さんだ。

瀬田貞二 「再話」とあるから、なんだろう、昔話の再話だろうか、と思ってたら、
福音館書店の「こどものとも」のブログに、
「アメリカのブライアントのお話集から鈴木三重吉が訳した物語」

とあった。
それを絵本にするときに、瀬田さんが再話したみたい。

ブライアントのお話集、ってどんなだろう。昔話集だろか、オリジナル物語だろか?

わからないけど、昔話かどうかわからないから、カテゴリは未分類にしておきます。

ねことおうむが、ごちそうしあうんですよ。
でも、ねこはちょっとしか料理をくれない。
おうむはたくさんあげるけど、ねこは貪欲で、どんどん食べて、
おうむまで食べちゃう。

このときのねこの絵の、表情ったら。
口の片方がにっと上がっているのは、舌なめずりをしたせいかもしれないけど、
私には、にやっと笑っているようにみえるな。

あとは、ねこがどんどん食べるものが増えていって(おばあさん、馬方、ろば…)、
台詞も重なって増えていく、積み重ね歌みたいなお話。

村山さんの絵がいいわ。

おなかの中の、ぞうやへいたい、おうさまとおきさきさま…。

とにかく、この猫の絵。
くろい輪郭線がガタガタガタってなってて、
青い目で、うす茶色の毛色がうっすらついてる猫がとてもいいと思います。

黒い線のせいか、ちょっとステンドグラスみたいな感じもして、透明感がでてて。


「公爵夫人のふわふわケーキ」
ヴァージニア・カール 作/灰島かり 訳/
平凡社





こういう作家も絵本も、知りませんでした!

ヴァージニア・カールは、アメリカ絵本黄金期の作家だそうで、
「50年以上も読みつがれてきた」と、見開きに書かれていました。
(灰島さんの解説によると、「しばらく忘れられていたカールの絵本」ともありますが。)

アメリカでも、古典絵本の復刊がさかんなんですね。

アメリカの人ですが、ヨーロッパで活動していた時期もあるようで、
この絵本も、昔のお城でのお話で、
簡略化された絵がらだけど、衣装やそこかしこに、中世的な雰囲気が。

「公爵夫人」なんて、いかめしい言い方ですが、絵はかわいらしく、
ユーモアたっぷりの楽しい絵本です。

公爵夫人が、ケーキをつくろうと思い立ったことから、大騒動。
ケーキがどんどんふくらんで…。

13人の姫のうち、一番下のおチビさん、ガンヒルダの泣き顔がかわいいです。
服についたGの字がめだってます。


「おちゃのじかんにきたとら」
ジュディス・カー 作/晴海耕平 訳
童話館





雑誌「旅」2010年5月号 特集「幸せのお茶時間を探しに ロンドンのアフタヌーンティ」の中で、
ティータイムのでてくる絵本の紹介の中にあったと思う。

とらは、とても大きいけれど、ねこのようにしなやかで、
表情もやさしい。

でも大食漢なところは…。

おかあさんも、とらがお茶を飲むのを歓迎していたけれど、
おとうさんのごはんがなくなって、さすがに困り顔。

でも、おとうさんがまた、すてきな人で。
ちっとも、怒ったり困ったりしないの。

とらのフード缶、っていうのが面白いです。

女の子のカラフルなタイツが目にのこってる。

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